日だまりに咲く

2000年06月25日(日) 一緒にいること

真っ暗闇の中歩いて行く。ざわついた空気。不思議な空間。
夜も9時をまわった頃、突然「出かけよう」と家を出た。
ホームページで調べた『ほたるの里』へ車で向かった。
日曜の夜だというのに、現地は車が結構出入りして人も多い。
車道から一歩入ってしまうと、光の届かない暗がりになる。
足下さえ目をこらしてもわからない。
小川のせせらぎと、木々のざわめく音。
こんなとこ、螢がいる観光の場でなかったら
頼まれたって来やしないぞぉ。真っ暗じゃないかぁ!!
山道をかろうじて進めるのも、傍に旦那さまがいてくれるから。
人の声があちこちに多少聞こえているから。
誰かが傍にいてくれるってこんなに安堵感を持てるってことなのかぁ。

たくさんの螢が乱舞しているのかと思えば……
残念ながら期待からは大きく外れて
数匹、数カ所に浮遊している程度だった。
それでも見ていればなんとなく心洗われるもので、
「綺麗だねぇ」ほうっとため息をつく。
螢の舞い飛ぶ様を見て、子供も喜んでいる。
寝ていたのを叩き起こされて来たので、ちょっと可哀想だったけれど。
点々と、ところどころにいるだけの螢。
それでも恰好のデートスポットなのかな、カップルが多い。
自然に見る側のマナーもできていて、いい感じだった。
たまにはこういうのもいいかもしれない(^^)

でも……螢が淡い光を放って、儚気に飛ぶからこそ
みんなこうして養殖し、保存して、大切に大切に扱うけど……
これが「ぶ〜ん」とやかましく羽音をたてる虫だったり
蜘蛛のように、胴よりも長い足で地を這ったり巣くったりする虫だったら
こんなにみんな珍重するのだろうか……。
大人しく素直に観賞できないおバカなあたしは密かにそう思った(爆)


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里伽 [MAIL]