Mother (介護日記)
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2003年04月06日(日) |
入院14日目 ( 院内一周 ) |
今朝は、レフティーのケータイの目覚まし(タイガーマスク)が鳴った後、 また別のベルが鳴り出した。
いつまで鳴らしてんだ? 早く止めろよ〜
「誰? この目覚まし掛けた人?(-_-;) 」 と、不機嫌な私が言うとレフティーも絹江も揃って 「目覚ましじゃないよ、電話」だと言った。
電話? なら出ろよ。 早朝? 何時だ? 病院から? ドキドキドキドキ・・・
ピアノの上に置いた子機を取ると、ネームディスプレイには番号だけだった。 病院なら番号登録してあるから、他からのようだが・・・
「もしもし? ○さんのお宅ですか?」
「はい?」
「私、Fと言いますけど、お母さんの友達の」
「あぁ、はい」
「もう1人のお友達のTさんとも話してたんですけど、お母さんはお元気ですか?」
「あぁ、入院しています。 あまり良くないんですけど」
「どこの病院ですか?」
「○×病院です」
「何階ですか?」
「×階ですが」
「あぁ、そうですか。 私、行けないかも知れませんが、よろしくおっしゃってください」
はぁ?
そんなことで、こんな時間から電話掛けて来るな、つーの! ビックリするだろうが! そりゃ、入院していることなど知らないから仕方ないけど。 とは言っても7時なんですけどね・・・(^^ゞ でも我が家にとっては、まだ早朝なの! 普通の人は、こんな時間に電話なんか掛けて来ないってば! 小学生の時に“10時前に友達を誘ってはイケマセン”って習ったでしょ? ったくもう! こういう時間に掛けるのは、やむを得ずの場合だけ。つまり危篤の知らせだって。 (遠足が中止になったとかの連絡もあるか・・・)
母の心配をしてくれるのは、もちろんありがたいことなのだけど。 このFさんというのは、それほど親しい間柄のわけではなく、 この1年近くは行き来も電話もなかったので・・・
* * * * *
とうとう入院予定の2週間が過ぎてしまった。 未だに現在の担当医とは会えていない。 あとどのくらい入院するのだろう?
今日は車椅子を持って行ったので、夕食の前に院内を散歩することにした。
ところが、フリースのベストを着せて靴下を穿かせて車椅子に移乗するだけで息切れがして、 同じ病室で他の患者さんを看ていた看護婦も、心配そうにこちらを見ていた。 これじゃなんだか、病人のためではなく、単に私の自己満足にしか見えない。(-_-;)
それでも、気分が変わるかも知れないと強行した。
まずは上の階の食堂へ。 でも、ここからだと、街の桜も車椅子の母には見えにくい。
やはり、屋上へ。 寒いかな? いや、大丈夫そうだ。
「寒〜い」 と母が言ったが、ホンの2,3分だけ、お願い。 満開の桜を見ようよ。
この病院の屋上からは「下界」と呼びたくなるような街が一望できるのだ。 こんな素晴らしい景色は、ここに入院しているものの特権のようなものだ。
遠くには海。 こちらには山。 あちらこちらにモコモコしているピンク色、あれが桜。 ホテルやマンション、庭付きの一戸建て。 線路をなぞる電車も道路の車も、まるでおもちゃのようだ。
5時を過ぎて、街の半分が日陰に入っている。 そのコントラストも絵に描いたようだ。 そこで、下界の写真を撮った。
そして海を背景に母の写真を撮った。 はしゃいでいるのは私ばかりで、母は寒いし息苦しいしで、まったく楽しめていなかったが、 それでもカメラを構えると、反射的にピースサインを出していた。( ̄m ̄)
その後、屋内に入り、今度は外来の方へ行って見ることにした。
今日は日曜日で外来は休診なので照明が消されていた。
身障者用トイレに入ることにした。 入院以来、お風呂に入っていないので、ウォシュレットで洗浄してあげたかった。 外来のトイレは、車椅子のまま入っても充分な広さがあり、病棟よりもキレイなのだ。
その後、整形外科の診察室の方まで散歩したが、ここで母が「トイレに行きたい」 と言い出した。
はぁ? 今、行った時には「出ない」 って言ったじゃん(-_-;) もしかして、ウォシュレットに刺激されたのかな?(^^ゞ
それにしても、動くたびの息苦しさは以前に増してひどく、 数秒立っているのがしんどい状態なのである・・・ お尻を何度か拭いている間にも 「早く・・・早く。 もう、いい?」 と座りたがる。
これまでは、多少息苦しくても 「お買い物に行くよ? 行かないの?」 と言えば、喜んで 「行くさぁ♪」 と答えていたが、 今日はどうにも 「早くおうちに帰って寝たい」 と言うのだった。
リハビリが必要なのであれば、まずは気持ちから変えていかなければならない。 どのように誘えば、お散歩に行きたくなるか・・・ ここはやはり、おやつを買いに行くってことかな? 母はゼリー飲料が好きなので、それを買いに 「売店まで行こう」 とか。
病室に戻ると、看護婦が 「どうだった? 桜は見れた?」 と聞いて来た。 母は、そんな問いかけに返事をする余裕もなくて、サッサとベッドに横になってしまった。
やっと暖かくなって来たというのに、これでは退院してからも外出がかなり難しくなるだろう。 看護婦も 「入院するたびに弱っていますね」 と言った。
最近、私は日記を書くために深夜まで起きているのだが・・・ 何故に数時間もかかってしまうのか・・・
明日は、ってか今日は、絹江の入学式である。 午後からで良かった。(^_^;)
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