Mother (介護日記)
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そうそ、10日木曜日の内科検診の日のこと。
通っている病院には待合室というものがなく、 廊下の中央に背中合わせにソファが並んでいる。
タクシーを降りた後、車椅子で移動した場合、 ソファが空いていれば車椅子をたたんで、ソファに座らせる。 混んでいる場合は、車椅子のまま、邪魔にならないところで待っている。
診察室に行く時には、ソファに座っているみんなの前を通過しなくてはならないので、 その狭い通路に車椅子のまま進むのは、本当に歩けない時だけで、 ほとんどの場合、車椅子を降りて手すりと私の介助で歩いていく。
診察が終わって出て来た時。
「あらあら、お母さんを犬みたいに・・・」 という小さな声が聞こえた。
それは、私が、母のウエストポーチを持って誘導していたのを見てのことだ。
私は無視をしてその場を離れた。
人間、何事も経験のないものにはわからないものだし、それは仕方がないのだけど、 (かつての自分もそうだったかも知れない) その、理解されないこと=誤った憶測によって、 どれだけ不愉快な思いをしている人たちがいることだろう。
「在宅介護のQ&A」で読んだんですよ。
* 歩行の介助をするときのポイント
『 要介護者に腰のベルトなどをつけておけば、 バランスを崩しかけた時に、介護者が支えやすくなります 』
そういうことなんですけどね。
これは入浴の時も同じで、腰にタオルを巻いたりして対応するのに。
この不愉快な気持ちを私が諦めてしまえば、 これからも同じ思いをする人は絶えないだろう。
私は、自分の経験を通じて改善すべきだと感じたものは、すべて声に出して行こうと思う。
うるさいオバサンになって来たな、と自分でも思うが、我慢からは何も生まれない。
バリアフリーにしても、行政を動かすまでには、10年、20年が必要だ。 私たちは、自分の将来のためにも知恵を出し合っていかなくてはならない。
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