Mother (介護日記)
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2002年10月13日(日) 犬。

そうそ、10日木曜日の内科検診の日のこと。



通っている病院には待合室というものがなく、
廊下の中央に背中合わせにソファが並んでいる。

タクシーを降りた後、車椅子で移動した場合、
ソファが空いていれば車椅子をたたんで、ソファに座らせる。
混んでいる場合は、車椅子のまま、邪魔にならないところで待っている。

診察室に行く時には、ソファに座っているみんなの前を通過しなくてはならないので、
その狭い通路に車椅子のまま進むのは、本当に歩けない時だけで、
ほとんどの場合、車椅子を降りて手すりと私の介助で歩いていく。



診察が終わって出て来た時。

「あらあら、お母さんを犬みたいに・・・」 という小さな声が聞こえた。



それは、私が、母のウエストポーチを持って誘導していたのを見てのことだ。

私は無視をしてその場を離れた。



人間、何事も経験のないものにはわからないものだし、それは仕方がないのだけど、
(かつての自分もそうだったかも知れない)
その、理解されないこと=誤った憶測によって、
どれだけ不愉快な思いをしている人たちがいることだろう。



「在宅介護のQ&A」で読んだんですよ。



  * 歩行の介助をするときのポイント

『 要介護者に腰のベルトなどをつけておけば、
  バランスを崩しかけた時に、介護者が支えやすくなります 』



そういうことなんですけどね。

これは入浴の時も同じで、腰にタオルを巻いたりして対応するのに。



この不愉快な気持ちを私が諦めてしまえば、
これからも同じ思いをする人は絶えないだろう。

私は、自分の経験を通じて改善すべきだと感じたものは、すべて声に出して行こうと思う。

うるさいオバサンになって来たな、と自分でも思うが、我慢からは何も生まれない。

バリアフリーにしても、行政を動かすまでには、10年、20年が必要だ。
私たちは、自分の将来のためにも知恵を出し合っていかなくてはならない。


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