初日 最新 目次 MAIL POYAP


ぽやつよ。
ももら
MAIL
POYAP

2006年05月01日(月)
おわりからはじまり


舞台が終わりました。

って、えらいこと久々なのにこんな書き出しばっかなワタクシです。ども。

えー。
終わりました。
と書いたものの
なんていうかですね
あまり実感わかずボンヤリしているわけですけれども
“でふまっぷ”つよちがケンケン片足飛びみたいなのをしていて
あー、よしたろうだぁ
なんてなことを思ったりなんかしてるんですが

なんとなく舞台のあいだは更新できず
えんぴつさんからもずっと遠ざかっておりまして
あんまりにも間を置きすぎたもんだから
モモマツさんのように自分のキャラを忘れちゃったというか
どうやって書いていいものやらなんですが
ともかく書き進めてみるでイ〜ンド。←ムリヤリすぎ


えー。あらためまして。

舞台をやるらしいという情報入手から千秋楽まで
長かったようで本当にあっという間でした。

チケのことを考えると胃は痛いわオシリはザワザワするわ
なんとも落ち着かない日々を過ごし
そうしてやっとのおもいで手に入れた限られた時間の中で
その一瞬の表情まで見逃すことなくキッチリみたい。
舞台すべての雰囲気をあますことなくキチンと感じたい。
いろんな欲望とものすごい緊張にまみれた全力勝負の観劇でした。

初日からネットでも紙媒体でも大絶賛の嵐で
否応なしに高まる期待と
それに比例してムクムクと育つ、あまのじゃくなココロ。
アイドルつよちのファンでーす♪
みたいな雰囲気もろ出しでは絶対にイカンと自分を制するキモチに
舞台初体験なのを悟られてはイカンとか(誰に?)
そこそこは演劇を語れるぐらいにならんとイカンとかいう(だから一体誰に?)
なんだかもう妙なキバリ具合が絡まって
手放しで絶賛するのではなく、ちょい厳しめ目線で行かねばなどと
思い上がったワタクシにゴツンとゲンコツはいりましたよ。ええ。2、3発ほど。


ぽっと灯った電球に照らし出される端正な横顔。
静まりかえった場内に凛と響く声。

ただただ圧倒です。

もう圧倒されてポカンとしちゃって
そんな中でも
なんで家族はすぐ泣けるの?
あの父さんを受け入れられるの?なんでなんで?
もっと葛藤があるんじゃないの?と思って
泣くことすら忘れるというか
周りのすすり泣く声に逆に冷静になっちゃったというか
先を越されて泣きそびれたというか
前述の妙なキバリ具合が
泣いたら負けと囁いてきたというか
いや、自分のこういうヒネくれたとこ、
ホントつくづくイヤになっちゃうんだけども
そんな反省ウチ帰ってやれって感じで
ともかく圧倒されつつも、なんで?と思ってるうちに終了。

で、幕間はボーっとしちゃって動けないまま

でも父さんはあの、頼むぜガハハーっていう勢いを借りなくちゃ
敷居をまたげなかったんだろうなーむー
そんで、そんな父さんを一番欲してたのは兄ちゃんなんだよなー
家族はそんな兄ちゃんの葛藤がわかっているからなおさら泣けちゃうのかなー

と、いろいろと思いをめぐらしていたら
急にググググーっとこみあげてきちゃったところに
きょうじん登場。

ついさっきまで
キッとして張り詰めて制して籠もってワナワナして泣いて怒鳴って
抑えていた思いをすがるようにぶちまけて子供のようにかけだして
だったのに

うってかわって(←この表現はなんかイマイチだと思うけどコレしか浮かばない)

なんだこの突き抜け感は
なんだこのブワっと開けた感は
なんだこのカワイラシイ声は仕草は
(ここら辺はやっぱりアイドルつよちファンもろ出しですスンマセン)

いやもうなんだなんだなんなんだいったいコノヒトってば
なんかもうスゴイよスゴすぎるよまったくもうもう

と、思ったら泣けて泣けて
ちち帰るの分までココで。みたいな
も、自分でもわけわかんないけど涙がぼろぼろでてきました。
そんでフッと気付くとなんかヘンな音が鳴ってて
それはクムーって唸っちゃってる自分の声にならないオタケビだったり。


そして迎えるかーてんこーる
そこでお辞儀をするヒトは
キラキラととてもイイお顔をしていて
もうすっかりつよちであって
つよちでないような
そんなお顔を見られることが
うれしくて逆にセツナクて
いつまでもいつまでも拍手をしていたいのに
客電はあっさり点いて急かされて
でも感動も緊張も圧倒も全てが脚にキちゃってガクガクしてて
うまく歩けず、ふわふわフラフラとワタクシ帰るみたいな。


家族モノと聞くだけで「ケッ」と思ってしまうスタンスの
ちょっとヒネててメンドくさい性格のワタクシにとって
2つのお話を連続でほとんど同キャストで演るという企画に感謝です。

それぞれ別の役を演じられた役者さんには失礼かもしれないけど
2つがセットになることで

張り詰めたけんいちろうは、よしたろうで解放されて
父はよしたろうの手をひいたり着物の裾を直してあげたり、
それはけんいちろうがほしかった愛情なんじゃないかと思えて

なんだか、ちち帰るの「その後」も見られた気がしてホッとしたし

母は耐えるオンナからカカア天下で、
それは形は違うけどいつもどんな時もオンナはやっぱり強いなーと感じたり
妹は素直でその明るさが救いで
弟はどこまでもまっすぐでまっしろで

その、ちち帰るから変わらぬまっすぐさが
きょうじんでの、一歩間違えば正義感バリバリで
それこそ空々しく聞こえるような
(そんなヒネたコトを言うのは、みこと称するお方とワタクシぐらいでしょうが)
弟のセリフに説得力を増した気がするし。


あっという間の1時間。
でも、あとからあとからいろんな思いがあふれてくる舞台でした。

観る前までは
けんいちろうが静
よしたろうが動
と思っていたけど
あとで考えると反対なのかなー。

思いをぶつけられる相手がいるって、幸せだなー。
怒ったり許したり愛したり。

よしたろうがもし正気に戻ったとして
苦しむことはあっても、かぞくがいるからひとりじゃないから
決して不幸ではないよなー。


答えのない
小説のその後
みたいなことを考え始めると
キリがなくエンエンとドツボに填ってしまうので
どうも苦手なワタクシなんですが(自分勝手な妄想はダイスキですが)
この演目のその後を考えるのはしあわせで楽しかったり。


ちちが帰ってきて家族がそろいました。
きょうじんは今も屋根の上で楽しそうに過ごしていることでしょう。

舞台は終わりました。

でも
自分でも意外なほど
不思議と淋しさはありません。

こんなすてきな舞台をやり遂げたつよちが
次はどんなバリ燃え大作戦を仕掛けて来るやら
なんだかすげーワクワクしてくるぜぇーって感じです。