夕方、着物のお店から電話がかかってきた。
「んーなんだか電話かわって欲しいってー」
て母から電話を替わってもらうと、愛しの美人ヲタ、今世紀最大のノマカプ萌えの素、Nちゃんのお声が！
広島帰っとう！
ラブ！
用件は、夏の催事でうちら二人が「要らんよね、これ」つって捨てた紙がどうやら必要だったらしいんだけど「捨てたー」「うちもー。捨てたんなら仕方無いよねー」みたいな用事でした。
おいおい。
そんな事はどうでもいい、今すぐ君に会いたいんだ今日の夜は空いているかいベイビー？　てナンパしたら、夜は空いてない（そりゃ旦那もいるし）つー訳で速効「今から行っていい？（ラブ！）」て家を飛び出しました。
普段ひきこもりのような私がいきなり家を飛び出すので母が困惑しています。
オタクの萌えチャージに対する行動力をナメんじゃねーぜ。
そんな訳で
今、会いに行きます、の状態（母も色々用事でついてくる）。
着物屋家族全員がいて、フワッフワに仕事しているところでした。
入るなり挨拶もそこそこにNちゃんラブ！　まいしとう！　ぐっとすめるの勢いで介入。
かっか、美人ヲタに対する勢いがハム化しているので自重した方がいい気もする。
暫くは「まあまあ、お掛けになって、お茶でもどうぞー」
なーんてのんびりしていた訳です。
そしてお茶とお茶請けの菓子を頂きながら、
こっそりヲタっ子話に花を咲かせました。
ごっさ餓えて…餓えまくっていんの…。
Nちゃんもここのところ暴走しているらしく、今までは店の中でひた隠しにしていたのに
「えー中の声は誰？」「さくらいとー、いしだとー、とりうみはいなかったかなー」とかねー。Nちゃんストレスの溜まりすぎでおかしなゲーム（暴言）買ってたお。
うちらがあんまりにも盛り上がりすぎていたら、途中で車かっ飛ばして御機嫌にやってきたおにい（旦那）が

Nちゃんの膝の上におもむろに乗った。

ハ　ゲ　モ　エ！！！

そのかまってちゃんアピールハゲ萌え！

軽く乗った後、ちょっと「あーはいはい」的にちゃんと構ったら満足したらしく再度何処かに消えてみたりするんだけど、うちらが再度こそこそ話してるといきなり帯を投げつけてきたりとか、ツンデレ過ぎるかまってちゃんアピールにハゲ萌えしまくりました。
なんてかわいい天然ツンデレ。
もう……紙とインクに…お前は紙とインクになれ…（呪）。
こないだ、ツンデレおにいが愛する妻の為に買った帯留めがあるんですが。
「亀の帯留め見た？　あれさー、うちが気に入らんと思って面白がって買ったらしいのにすごい喜んじゃったよー帯留め可愛くない？　白檀のが超良い香で、暗黒の香りーみたいなー（嬉しげ）」
てNちゃんが言った。
「いや、Nちゃん、あれおにい、すげえ自慢げに買って来てたよ。つーかむしろ、気に入って貰えるか不安げなくらい。ハーこれだからツンデレはー」
あーうっかりあなたの旦那はツンデレですよねって言っちゃったー。
前回買った時は「これなら気に入ってもらえるかな。よし……うーん……だめ？　こ、これでどうだ!?」てブツブツ言ってた癖に、渡す時は「お前が嫌がると思ってさ」て渡すシチュエーション萌え！


その後、今Nちゃんがいるお店の隣にいる子が、ウケるくらいおにいに恋してる☆ていう話で盛り上がる。
「もうさあ、あいつわざわざ膝曲げて上目遣いでいちいちこっち見てくるわけ。気持ち悪い」
おにいは自分がモテる自信の持ち主兼ツンデレなので堂々と言います。
「なにそれ！　Nちゃん敵じゃん！」
「いや別に…」
「Nちゃんの敵じゃなくて、彼女にとってNちゃんは恋敵になるじゃん！」
爆笑した。あまりに次元が違いすぎて敵にならんのに！
「いやそれがNも誉めるんだけどさー。「お美しい奥様ですよね」て言うんだけど、おうつくしいって言うな！　おうつくしいって気持ち悪い！　おうつくしいっていうな綺麗って言え！」

て力説したおにいが超可愛かった。
ハー。ノマカプ生萌えの為に駆けつけて良かったー。


ちなみに母は愉快なくらい、他の話で他の事で盛り上がっていたんですが。

「あ、てめ…何やっとる!!（戦慄の私）」
「おおおすごすぎるーそのコーディネート最高ー」

とノリノリのNちゃん。

うっかり
「そのコーディネートまさに神！」
その台詞はヲタ丸出しです……。
なんか、ふと気付いたっぽく
「神を通り越して雲上人ですねー」
て言い直してたけど、
それは気付く人は最初で気付くし、気付かない人は言い直しても気付かない微妙なラインだよ。


雲上人で思い出したけど母は勝手に『聖☆お兄さん』を読んでいた。
ついでに『秘密』も読んでいた。
もう諦めて今日おお振り渡した。

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