世を忍ぶ仮の日記
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東京であれやこれや溜めている用事のうち一つが、思ったよりも随分早い時間に終わったので、帰りがけに有楽町で降りて、銀座に出向く。 ついつい気付くと食べたくて溜まらないケーキ屋の前を通り、少し残っているのを目に焼き付けつつ「いや、ここで食べたら裏切りだ」と我慢に我慢を重ねていたら。
通り一つ隔てているだけなのに、迷子になりました。 挙げ句の果て、Nちゃんに「迷子になったんだけど、場所どこだっけ?」て電話してみて、旦那が代理で電話に出たんだろうと思ってまくし立てて泣きついていたら 「あの……間違い電話だと思います」 と言われて、恥の上塗り塗り塗り塗り(エンドレス)。 銀座の隅で自分のアホさ加減に泣きそうになりました。
最初、到着した時に、知らない人がいて、人見知りしていたんだけれども「この人がランドリオール薦めてくれたの」「え、うっそランドリオール読みてー!」てあっさり打ち解けました。 ヲタク語って私にとってのいきなりの共通語なのね……(恥)。 おにゃにょこ三人でぽやぽや話していたら、おにいがお店にやってきました。 「ちょ、聞いてくれよ。こいつ(妻を指さす)さァ、オレがこっち来てからずっとトイレ籠もって漫画読んでんだけどー!」 彼はきっと誰か自分の味方をしてくれるんだろうと信じていたのでしょう。 ところがどっこいここは完全なアウェイ。 「いいじゃんいいじゃん読ませてやりなよ」 「読みたいんだもんねえ」 「だってその場所が落ち着くんだもん」 「本気でトイレ行きたい時だけノックすればいいのにさー」 おにいは本気で拗ねる一歩手前。 そんな時、おにいの救世主? サイテーの男友達がやってきた。 何がどうサイテーなのか私は知らないのだが、夫婦が「え、サイテー! サイテー」て言っていたので、サイテーのUです。サイテーさんです。 頭ぽんちょこりんの振りして 「えー何がどうサイテーなんですかぁ?」 て訊ねてみたら、 「いや、オレ、ホント最低なんッス」 との事。 では質問を変えよう。 「今回は、どうして東京に?」 「あ、おにいに誘われて、なんとなく…オレ、流されやすくて、言われた通りに全部やっちゃうんッス、最低なんッス」 G・J★おにい! 天然モノ! 一緒に二次元に放り込むゾ☆ 実は、サイテーと呼ばれるUは、すごい仕事ではやり手の人間だというのをNちゃんから聞いてはいるのだが、キャラがヘタレで、ええ匂いすんねん…。 おまいら夏の催事場二人で和服で立ってればいいよザッツゲイ!(酷い)一芸に秀でてるよ君ら。 半分二次元という芸だ。 そしておにいは 「ちょ、こいつしばいてくる」 という、芳しすぎる科白を残して消えていきました。 ええよええよ、どこへでもしけこむがええよ…(私の許可ではいかんとも)。
行ったり戻ったりの二人と共に、漫画読んだっていいじゃない! という空気にすべく 「あ、あたしジョジョ読みたいんだけど、誰か持ってないかな」 て弾けて言ったらUが 「オレ、全巻持ってます。3部4部が最高なんですよ」 て語り出す。 しばし、ブチャラティとか、オラじゃなくてウリウリウリウリだよ、ウリウリウリウリじゃなくてアリアリアリアリですとか、唐突にジョジョトーク。 だがしかし! U以外ジョジョを読んでいないのであった。 初対面にも拘わらず 「えー私のとこにもジョジョ送ってくれー!」 とか叫んでました。 残りはほとんどモンハンの話してたっけな。 モンハン会におけるUの使え無さとか、可愛かったな…。 Uは弓使いで、防御力が弱すぎるから、夫婦でUを大剣で守りつつのチームプレイとか可愛すぎるんだ。 ほっこりなごむのう……。
おばあちゃんのキュウリ柄? みたいな謎の柄の着物を着ていって、キュウリなのに花が赤いからおにい、これなんだろうって訊ねたら 「え? これキュウリ? ナマコじゃね?」 ………………? 「今、凄い涼しくなったねー」 「完全に滑ったねー」
「オレだって滑った事くらい分かってんんだ! そっとしといてくれ!」
ツンデレは傷つきやすいらしい。
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