世を忍ぶ仮の日記
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朝、妹よりも早くに目覚め、一限の妹より早くに家を出る。 しかもお洒落だけはバッチリに(ただし寒いので防寒も完璧に)。 理由は明快。 慶應大学病院で、早めに終わらせて学校に戻るという任務が(日本の大病院はやたらと混むのでこれが結構難しい)あるのだ。 どっちも外せないし。学校の声楽の補講も、絶対外せないし。意固地なまでに絶対に外させてやんないし(前回先生に忘れられてすっぽかされた)。 必死こいて言ったけど、受付開始時間が始まる時間が分からないので、行ったらまあ、ぼちぼちの時間ではあったが、一番乗りにはなれなかった。つまんねー。 慶應大学病院、朝も早くから、高級車がずらりと並ぶ(つーても国産とか。つーてもまあ……)。ポイントは全部運転者つき(つーても白い手袋はめて無かったりとか、あやしいもんやけどな)。 マア、まるで病院ドラマ黒々しい部分のようで閣下こーゆーの大好きよ、トキメキトキメキ、とくだらないことを考えつつ、受付を済ませ、少し人気のない待合いソファで読書に勤しんでいたら 「すいません、盗難多いんで、大丈夫だと思いますけど、鞄気を付けて下さいね」 と空っぽに近い財布を持つ私に声をかけてくれた人はダンディなオジサマでありました(センサーが感知)。 あの人は今何処へ……。あっという間に消えてしまったけれど、私服のあの人は何者だったのでしょう。 そして朝も早くから、中に呼ばれる。 聞こえてくる、「良いお年を〜」の言葉に、季節を感じる。 病院から「良いお年をー」という言葉が聞こえてくると師走もそろそろ終盤だなあ、としみじみする私は何か人間の作りを間違えてしまった気がしてならないので、私に声をかける時は「良いお年を」以外が良いなあ(一度注文つけたことがあるけどな)。 んで、私の診察でした。 最近、やっと顔が正視できるようになってきた。 ……かわうい……(正視して感想はそれですか?) 「元気だった?」 と言われたので 「いいえちっとも」 のようなことを返してしまいました。 I'm fine とか言えたら良いんですけどねえ、この1ヶ月の何処にfineがあったんだ、ファインじゃないだろ、フィーネ間近だっただろ(フィーネってイタリア語で終わりっていう意味でっす)。 手の診察とかされつつ(当たり前だ)痛いんだよー痛いから弾かなかったですと言うと 「弾かなくていいの? いいの? 本当に良いの?」 と言われました。 ……悪い? 脅迫されている気分です。 確かに昨日の声楽の伴奏をサボったのは私。 先週のレッスン笑った誤魔化したのも私。 痛いの。 もう、今日のこの日だけを頼りに我慢してきたんだからっと言う(嘘)。 つか、雑談が多かった……。 アシュケナージさん(何故かさんづけ)とのアブアフェアはそんなに楽しかったかせんせー。 せんせーがする弾き真似の手に釘付けになる私は確実に手フェチ。手フェチな目に自分で気がついて目をそらそうとしても、気がつくと目がいくのは 手。 とは言え、相手も「そうかー、この手がリストを弾くのかー」と手をさすってくるんで、手フェチ同士のじゃれあいなのかもしれん……。 手フェチの集い。 ところで会話中、ガングリオンはずっと揉まれていたんですが、これはギャグセクハラか何かでしょうか。ハッと気がつくと揉まれつづけていたガングリオン。多分、全てに於いてどうしたら良いのか分からない存在になってるんだな、ガングリオン。まあ胸と違って揉まれて大きくなるもんでもないし(大きくなられても困るし)。 調子が悪いとしか言わない(だって仕方無いじゃん!)私に、せんせーは特効薬を出してあげよう、という。なんかあやしい。 「アシュケナージさんもね、これ飲んでるんだよ」 「……(あんまアシュケナージ派じゃないので、yesと言いかねている)」 「こないだね、ポリーニさんにも出したんだけどね、very wellて言ってたよー」 「(激しくポリーニ派なので、脱力してしまう、もう好きにして)」 音楽家用の安定剤は特別なのかと思いきや、画面を見ると、とってもみんなが飲む薬だったので思わず 「ああ、なんだ○○○。○○か……」と呟いてしまう、薬マニア。 言えない……神様ポリーニやアシュケナージが普通にこれ飲んで「ハッハッハ! ドクター! ヴェリーウェル!」と電話に向かって喜んでいる姿を余り想像したくない。そして同じ薬を飲んでいるからって、多分ちっとも嬉しくはなれない……。ポリーニが激しい緊張する人で、楽屋から舞台までドアが一つでも閉まっていたら舞台に出られないくらいだっていうお茶目さんな噂はこないだ聞いたけど。 じゃあ薬を飲んだらドアを自分で開けられるようになるのか!? とまるでアンチ薬な人のような事を思う私。 神様には神様のままで居て欲しかった……(ガクッ)。 そして最後に「先生が治してあげるから」と膝をポンとされて診察終了。 手セクハラはなんとも思わないが、膝を叩いたらそれはセクハラだ。なぜならば私は膝フェチでは無いから。 言うことが意味不明ですが、なんか幻想が溶けたなーと、そういう事です。 藤木には藤木のままで居て欲しかった……(笑)。
そして帰りがけにサンドウィッチを買い、保健室で食べて寝(またの名を失神)親からの電話を即座に切り、声楽の合わせ、そしてレッスン。 今日はねー。 万歳しながら歌う、とか。 手裏剣投げながら歌う(笑)とか。 もう、手裏剣投げながら(持ってないです、投げる振りだけね)歌ってるとテンションおかしくなって歌ってる最中に笑っちゃうんですけどね。 先生も伴奏者も「そっちがいい!」て言うから、私これからは手裏剣投げながら歌いますね(プププ)。 アリアの最中に「あなたなら、分かってくれるでしょ?」みたいな歌詞があるんですが、歌っていると、こっっっっっっっっっそり先生が「si〜〜(うん)」と歌ってくれているのが激しくツボにハマっていましたが、笑うのはレッスンが終わるまで我慢しました。 分かるのか? 刺繍の薔薇を作り出してそれに囲まれるのが幸せな女の気持ちが。 オレにはわからねーな(ヲイ)。 でもせんせー可愛いから許すー(今日はこればかりですね……)。
そして商店街を歌いながら闊歩してお茶をした後、商店街を歌いながら帰る。 「歌いながら歩くと人が避けていくってホントだねえ」 おお。私はさながらモーセか森田か(笑)。 二人して「みっちゃんが! みっちゃんが死んだのは僕の所為だーズガガドガガゲーン!」とか叫びながら歩いてました。 あの楽譜どこに消えたんだろう……良い曲です、三善晃の「あの日から」。
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