体調が悪くて早めに寝た。 12時前に寝るなんて ここしばらくなかったことだ。
そうしたら夜中の3時近くに電話があった。 意識の遠いところから 呼び出し音がどんどん近づいてきて やがて僕の耳元で鳴り始めた。 何度も何度も鳴った。 鳴り続けた。 朦朧とする意識の中で電話に出た。 出た途端切れた。 彼女からの電話だった。
でもものすごく眠かったから そのまま寝ようとするもちゃんと眠れない。 2時間くらい浅い睡眠が続いたところで 眠ることを諦めた。
あまりに早朝に目が覚めてしまって やることもないし 仕方がないから散歩に出た。 ここのところずっと蒸し暑かったけど 早朝の空気は涼しくて心地よかった。 マンションの正面玄関に腰掛けて タバコなんかふかしながら 太陽が昇りきるのを待った。
やがて新聞配達のバイクがやってきて 目の前で止まった。 朝から大変だなぁと思っていたら 彼は僕の姿を見てビクッ!と驚いていた。 バイクに足がガン!とか当たってた。 そりゃこんな朝早くに 誰かに会うことなんてあまりないだろう。
ちょっと悪いことしたかな。と思いつつ 彼がエレベータで上がって行ったのを見届けてから 部屋に戻ろうとした。 そしたらエレベータの前にある掲示板に なにやら地域のお知らせが貼ってあったもんだから 僕は思わず足を止めて読みふけったんだ。
やがてエレベータが下りてきて さっきの配達員が降りてきた。 そして僕を見て、またビクっと驚いていた。 エレベータのドアに肘がガン!とか当たってた。
そそくさとバイクにまたがり去って行く彼。 まるで小動物のようだ。 いつか、コクさんらと連携し このマンションのあらゆる影に人員を配置したりしたら さぞかし楽しいだろうな。 と思いながら、最後のタバコの煙を吐きだした。
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