昼食は社食でとる。
私の会社の周辺には 食事ができるところなどないし 昼休みに外に食べに出ようとする人はいない。
よって社食は独占市場だ。 なんでもそうだけど 競合がいないと質が低下するんだということを 毎日実感することができる。
本日は、数少ないショボクレメニューの中から 酢豚をチョイス。
ヨウスイさんとコクさんと3人でテーブルにつき 皆、無言で料理を観察。 おもむろにヨウスイさんが
「これ。酢豚?」
と実に素朴な疑問を口にする。
「パっと見、豚さんがいらっしゃらないよね」
この意見は満場一致し なにやらこのハッキリしない料理を前に ハッキリしないモヤモヤとした気持ちになる。
では本当に豚さんがいないか確認しましょう。 と、事実をはっきりさせることになった。 そこでまず「酢豚」と命名された料理の具について カテゴライズを開始。 3人の解析結果の平均値を 小数点以下切捨てで示すと以下の通り。
にんじん×2 たまねぎ×4 ピーマン×3 タケノコ×5 じゃがいも×7 豚×1
「薄々予想してはいたものの悲しい結果となりました。」 とヨウスイさんがしょんぼりした顔で告げた。 ほんとうに悲しいお知らせだ。
「かろうじて豚さんいらっしゃったね」
「でも具の総数のうち豚さんの締める割合は僅か5%ほどだ」
私達はこの解析結果について 割と普通に同情されるような切ない考察を行い
「では以上の結果により、この料理が本来命名されるべき名前は「酢じゃがいも」である と結論付けるが誰か意義のある人は?」
と、挙手を促したものの 誰も反対するものはおらず 少なくとも我々はこれから「酢じゃがいもを食する」 ということで落ち着いた。
「ではいただきます」
とりあえず自分が食べる料理の正体も確認でき 3人とも割とすっきりした顔で食事を始めた。 普段、ふっと思うようなちょっとした疑問も こうやってよく観察し考え結論を出せば 意外とすっきりするものだし 新たな発見もあるものだ。
技術者として これからも些細な疑問も放置せず 問題は常に解決していくよう 心がけていきたいと思う。
でも「酢豚を食べられてない」 という根本問題は全然解決していなかった。
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