人が感じる距離感や地理の認識というものは 住んでいる場所によっても違ってくるのでオモシロい。
例えば東京などに住んでいる人は どこかにおでかけする際には 行き先や待ち合わせ場所を 地名や駅名を挙げて言う。 私は東京の地理感などなかったので 「それってどれくらい遠いの?」と尋ねると 彼らは決まって 「40分くらい」とか所要時間で返事をする。 「それってどこにあるの?」と尋ねると 「京浜東北線」とか路線で返事をする。 これには最初戸惑った。 頭の中で全然地図ができない。 実際、その街に行ってみても その場所が東京のどのへんにあるやらさっぱりなのだ。 彼らにとっては街と街の距離や場所よりも 電車で向かう時の所要時間や経路の方が重要らしかった。
僕が「100kmなんてそんなに遠いとは思わない」 と言うと彼らは「遠いよ!」と驚くが 毎朝1時間もかけて通勤している彼らは 自分達が数十キロの距離を移動していることに あまり気付いていないようだ。
距離や場所の表現の仕方が違うと こうまで感じ方にも違いが出るのかと思う。
ところで 先週末、秋田へ向かう最中に 「北緯39度」という看板を目にした。 これは興味深い。
地球の円周は約4万km。 つまり、緯度9度で1000km 緯度1度だと約111kmとなる。 旭川に行けば「北緯44度の風になれる」 ということを、北海道民ならば大抵知っているから 北緯39度であるところの秋田は 旭川から555kmほど南にある。ということだ。 まぁ経度は考慮していないので 実際の直線距離は違うと思うが。
ともかく これってカッコよくはないか? 所要時間でも距離でも地名でもない。 新しい場所の表現方法。 しかもこの2年で5万キロを走り 東北はもう狭いと感じ始めた私にとって うってつけではあるまいか。
今後はどこかに出かけるときには
「北緯40度あたりへ行こう!」 とか 「僕と一緒に39度線越えてみない?」 とか言いながら
遠まわしに私のスケールのでかさを 表現していこうと思う。
ただ、一体どこに行きたいのかは 言ってる本人もよく分からない。
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