買ったばかりの皮ジャンは なにやらおじいちゃんの匂いがするわけ。
コクさんがこれみよがしに 時計を見せびらかし どうだすごいだろう。という顔をするが よりにもよって時計というものに全く興味のない私に そんなこと言っても「あー。そうなの?」 程度で終わるのでしょんぼりする彼。 聞くところによると14万円もしたそうだが 一体ソレのどこにそれだけの価値があるのか 一向に見出せない私。
別に電源が原子力であるわけでもないし 小型ミサイルが搭載されているとか 死んだおばあちゃんと通信ができるとか 0時0分になったところを目撃した人は行方不明になるとか そういった特別な機能があるわけでもない。
ま。そういった意味では 私はカメラ関係にすでに数十万を注ぎ込んでいるし 人にはそれぞれ価値観があり 物にはそれぞれ価値があるということだ。
それはいいとして 私の職場では 腕時計を持ち込んではいけないエリアというものがある。 つまり、そのとても高価な時計を はずして入らなくてはならないわけだ。
そこで私は密かに、インターネットを用いて その時計が幾らで売れるかをリサーチし、 一番高く買ってくれるであろう店まで突き止め 「ちなみにはずすときはどこに置いておくんですか?」 とそれとなくコクさんに尋ねてみたが 私がなにを考えているか一瞬で悟った彼は 頑として教えてはくれないのだった。
信頼関係を築くのは難しいという話>違うと思う。
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