この間散髪してきました。
まぁ、就職活動ですからね。
それなりに身なりは整えないと。
寸前までまったく気にしていなかったんですけど
学校から自宅に帰る途中に
理容院の看板が目に入り
そういえば髪切った方がいいかなぁ。と。
突発的に。衝動的に入りました。
この店は僕の通学路にあるので
いつもオシャレな店だなぁとは思っていましたけど
入ったことなかったんですよね。
なんか別世界。って感じがして。
入ってみると
やはり思ってた通りにコジャレた店でした。
出迎えてくれたのは
お洒落なスーツを着たキレイなお姉さん。
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ。」
とかにこやかな顔で言われるんですよ?
面食らいましたよ。
僕は今まで、こんな若者向けの床屋なんて入った事なかったですから。
いつもは床屋のオヤジが
「ちょっと混んでるから待っててねぇ。」
くらいに言われて漫画でも読んで待ってるんですけど。
そんな漫画とかが置いてある雰囲気じゃなかったです。
いきなりダジダジです。
オロオロしちゃいました。
いやー。
だってさ。
受付あるんだよ?
床屋に受け付け。て。
初めて見ました。
そんで名前とか書かされて。
床屋で記名をお願いされるとは思ってなかったです。
これから自分はどうすればいいのだろう。
もう戻れないし。
とか思ってたら
お姉さんに案内されて
奥の個室に通されました。
その部屋には、ファッション雑誌ですとか
男性向けの香水のカタログですとか
そういったものがイッパイあります。
僕の今までの人生に
まったく関わりのなかった物ばかりです。
ここにきて僕は少し気付き始めました。
俺って場違いなのでは。
ここってスーツとか着て入る店なんですか?
ノーネクタイでおっけーですか?
ジーンズとTシャツなんですけど
僕はここに居てもいいんですか?
とか心の中でお姉さんに質問してたんですけど
お姉さんはまったく気付いてくれません。
淡々と仕事を進めています。
で。
お姉さんが取り出したものは
カルテ?
みたいなもの。
まるで医者が患者に症状を尋ねるように
僕に色々聞いてきます。
今回はどのような髪型にいたしますか?
前髪は?
後ろは?
横は?
あの・・・・。ちょっと待ってくださいお姉さん。
そんな細かいこと聞かなくてもいいですってば。
僕はちょっと髪型を整えてもらおうかなぁと思っただけなんですよ。
そんなシャレっ気たっぷりな髪型を所望しているわけじゃないんですよ。
というよりかは
僕はそんなオシャレさんじゃないんですよ。
高校くらいまで坊主頭だったんですよ。
そういうことには無頓着な人間なんです。
近所の床屋に行って
オヤジ:「今日はどうする?いつもの?」
俺:「んー。そうですね。もう暖かくなってきましたからねぇ・・・」
オヤジ:「そうだね。短くする?」
「ええ。じゃぁ、2分刈りで。」
とか言ってたような人間なんです。
丸刈りにする時に
床屋のオヤジに
モヒカンにして遊ばれたりしてた人間なんです僕は。
だからそんな
僕を若者みたいに扱わないでください。
お願いですから
僕の知識にないコジャレた単語使わないでください。
ファッション雑誌なんか持ち出さなくてもいいです。
ごめんなさい。
ほんとごめんなさい。
もうカンベンしてください。
すんません。
ていうかちょっと落ち着け!
お姉さんの質問攻撃を遮るように
就職試験にいくので
そのような髪型にしてください。
と言うとお姉さんは納得してくれたようでした。
あー。よかった。
びっくりしたよー。
なんかとんでもない髪型にされるのかと思ったよぉ。
と安心してたら
じゃぁ脱色とかはどうします?
しねぇよ!就職試験だと言ってるだろう!
お姉さん。人の話聞けよ。
ちょっと面白かったじゃんか。
すごい親切な接客だったんでよかったです。
また行こうっかなー。
次回はオシャレな髪型に挑戦。
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