ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
先日、フジテレビ系で放映されていたスペシャル番組の「鬼平犯科帳」。ご覧になられた方も多いかもしれないし、録画したものをこれからご覧になる方もいらっしゃるかも。 その様な方々は、以下書き記すこと、あまりお読みにならないほうが宜しいかと思われるので、まずはお知らせ。
アタクシが放映を知ったのは、しまさんからのメールで。嬉しいのもあったのだけど、アタクシ的には「旬」を過ぎたものなだけに 演らないで欲しい・・・という思いの方が強かった。 ほとんど映像で作れる原作を使い切った聞いていたので、原作者の遺言で「原作にないオリジナルの話を作ってはいけない」という金科玉条がある、以前に放映したストーリーを再演出して・・・ということらしい。ふ〜〜〜〜〜む。主要人物を演じていた役者さんたちがお亡くなりになっていたり、他の出演者も高齢になっていたり。大体にして、筆頭与力の佐嶋(高橋悦史)がいないものむむむぅ・・・だったのに、相模の彦十(江戸屋猫八)がいない鬼平なんて、次元がいないルパン三世みたいなもんじゃん!基本的に1話完結だから出演していないときもあったけど、雰囲気がいることを伝えていて安心していたのにさ。それに鬼平は年齢による貫禄が出てきてそれなりにいいかもしれないけど、おまさ(梶芽衣子)が見紛うことなく立派な小母さんでは、見ていても辛いものがありそうで。剣の達人の同心・沢田(真田健一郎)は、かなりのご高齢になってしまって、動きに剣客としてのきびきびとしたものが・・・。「このキャスト以外には考えられない」っていう製作者側の意向も判らないでもないけど、なら作るなって!!!ここは勇気を持って新たなキャスティングで勝負してもらいたかった。「是非、吉右衛門で!」というなら、他にもいい時代小説があるだろうに・・・。
たけぞ氏が録っておいて欲しいと云っていたので、渋るのも半分で画蔵にいれた。
ところが、蓋を開けてみると、見た人見た人が「よかった!」と云うではないか。特に、床嶋佳子と吉田栄作が。 で、17歳から原作ファン19歳からTVファンとしては、見ず嫌いを止めてちゃんと見ようではないかと、日曜日にそれを見た。
悪くはない。どちらかといえば、いい。 前記したこと(出演者の年齢と原作での年齢設定の差や登場人物の云々)を除けば。 演出方法もカメラワークも、連続放送していた時と違い、映画のような端々までの細やかさがあった。今、時代劇は1時間枠のものを作るのでも映画と同じぐらいに費用が掛かるというから、2時間枠でこれだけのものを作ったというのは、素敵なことだと思う。 床嶋佳子演じたお勝なら、なるほど隠居した爺を色気を使わない色で落とすことも出来るってもんで、啖呵を切ったときの声の具合からそういうことを潜り抜けていきてきたんだなぁっと推測するに労はなく。吉田栄作演じた関宿の利八も長谷川平蔵・大滝の五郎蔵に絶大なる恩義を感じつつも、惚れ抜いた女と再び逢えたのなら、恩人の命に背いてでも何とか命つないで一刻でも一緒にいたいという、その思いの熱さがとてもよく伝わってきた。ま、好き嫌いは別として。 見た人が皆言うように、ラストの五鉄の軍鶏鍋を囲んで密偵たちと鬼平が語り合うシーンで、涙ぐんだおまさにまさにここで「涙をお拭きよ、まぁちゃん」と彦十がいたら声をかけるだろう!!と、本当にそれを残念に思った。
ま、このシリーズで、あと何回か作るらしいので、それなりに楽しんで見ようかと・・・・・。
おまけ 平蔵がお勝の首実検に山吹屋へ赴くシーン。王子権現の賑わいのなかで聞こえてきた三味線の調べは、アタクシが稽古中の「松の緑」だった!!これで時代劇の中で聞きつけられたのは2回目。単純にそれは嬉しい。
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