ここんとこの円高のおかげで薔薇が安いのはありがたい
珍しく その面子では珍しく、 終電には 余裕で間に合う帰り道。 ホームに降り、まだ乗っていくヒトにバイバイをして、 駅からの帰り道。つとつと考えた。
本当なら、予定では、今日帰ってくるうちの子と図らずも仁義的妹と礼儀正しい友人と うちで夕飯を と思っていたのだが、生憎の天気と、しかも前夜、一緒に宴会していた麗しくも逞しい女人達に触発されて、酔いを醒まし、内職を仕上げ切ったせいで、今更隠すこともないのだがとっ散らかっていて、本業も今が一番バタバタしい時で帰りが遅くなり、たまたまカレーもなかったので、うちでの食事はなし と相成ったのだが、うちの子に連絡したあと、つい仁義的妹の留守番に「来るなら外で飲むか?」と入れてしまった。多分前夜の「姐さんと話したいから」が耳に残っていたせいかもしれん。その後、すぐに連絡をくれた仁義的妹は 礼儀正しい友人と共にいるらしい。なれば、ここまで来るより、電車に乗っても30分と掛からないところに、居心地のいい店があるから そこで。と。
その帰り道である。 うちの子に悪いな ともつと思ったのだが、その時はそう思ったのだし、 責任を持ってきちんと家まで送れないから、毎度1人で帰して悪いなと思うのも事実である。如何せん、あの道は女人にはちと危険。
礼儀正しい友人から 礼儀正しくメールに対してお礼を言われたこと。 毎度毎度 仁義的妹から言われること。 昨日、ずーっと腑に落ちなかったことが本人の口から話を聞けて腑に落ちたこと。 昔のコト今のコト。 思いながら 歩いた。 おこがましいのかもしれないが、もし、大小こそその重きが違うにせよ、 似たような種類の悩みや問題ならば、 こっちは もう痛くも痒くもない古傷である。 見せて見せて 少しでも自分が治す方法の参考にしてもらえれば、 もっけの幸い。古傷も救われる。 見たくもないものを見せる野暮はしたくないが。してたらすまん。 今ここにいる この生活だからこそ許されることであるのだが、 したいことはする。したくないことはしない。 表裏がないように。隠すことは隠しても、騙すなら地獄に落ちる覚悟で。 そんなことが出来る自分の位置を幸せに思ったり。 そんなことを思い付くままに思って、路地に入った。
雨上がり特有の水を含んだ空気に、 緑の匂いと鳳仙花の香りが強く鼻を刺した。 つい数日前のあの蒸し暑さとは打って変わって、一気に肌寒い。 ああ 秋だなと感じつつ、アパートの入り口で まだ咲いている百日紅が街灯に当って咲いているのを見ると、 今年の夏は まだあたしの中で続いてると感じた。
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