気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
A.味つけ。 セルヴェスは人間の姿でありながらそれ以上に目の前の料理を平らげていた。パンとシチュー、それだけではなく、チーズにソーセージ類、デザートも一通り食べた。 「ごちそうさま」 ドラゴンは食事を必要としない妖精に近い存在だが、今それを三人に述べても信じないだろう。そんなことよりも、バルクの剣もといセルヴェスをパゼットが狙っていたことの方が問題だった。 「パゼットは何故お主を持って行こうとしたのだ?」 「さあ。ただ、俺は一応バルクのものとしている剣だから悪魔とはいえ持ち出せるはずがないのだ。しかし、高級悪魔族ならまた別だ。魔族、悪魔族、神族、天使族は高級になれば別格だからな、少しの間だけでも持ち出す事が出来たんだ。あの悪魔はただの悪魔ではないってことだ」 「でも、そんな危険そうな感じはしなかったんだけどなあ......」 「んで、その悪魔はどこ言ったんだ?」 「あっ、忘れてた」 セルヴェスは気の抜けた声で言った。 「温泉の底に沈めたままだった」
草うららか
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