|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
って、ホント、気が滅入ります。 中庭に鈍い音が響く。剣と剣がぶつかり合った音。ヴェックスがまず離れ、そして一息も入れずバルクに切り掛かる。バルクはそれから逃げるように避ける。 「兄さんは避けないで。ハンディよ」 「無茶言うな!」 バルクが切り掛かる。が、ヴェックスにそれが届く前に引く。そして、素早く反対側から斬りつけた。 「きゃっ!」 「腕、鈍ったんじゃねえか?」 「参ったわ」 ヴェックスは剣を収めた。 「どうしても、ここにいると腕が鈍るわ」 バルクも剣を収める。 「でもよ、さすがに動きは早いな」 「ここで護身術を教えているの」 「へえ......」 さぞかし最強のメイドが送り出されているだろう、とバルクは思う。 「久しぶりにいい刺激になったわ。ところで、兄さん、どうしたの?」 「たまたま、コンファイアに寄ったんだよ」 「じゃあ、別にクイスマークのことを聞いたわけじゃないのね」 「あ、ああ」 「ねえ、兄さん。お願い。あそこには何人ものメイドが送られているの。だけど、誰も返ってこないの」 その中には何人か彼女の教え子もいるという。 「ヴェックス教官、私もお願いしようと思いました。しかし、私たちのことを、教官の身内でもウォンテッダーに任せてもいいのでしょうか?」 と、メイドが言った。手合わせ中は黙って見ていた彼女が、間に入って来た。 「......私も、行きます。彼らは、私のサポート。それでいいかしら? 学長」 「学長!?」 「兼会長よ」 「会長!?」 「申し遅れました、私はこの学長兼会長を務めてます、フルラリオ=アンザニカです。会長といっても代理ですので、あまり仕事はできないのですけど」 「父親である学長兼会長が今、出張中なの。その間だけ代理で彼女が」 「びっくりした......」 「びっくりもしますね。こんな娘っ子が学長だなんて」 そう言って彼女は笑った。 「ヴェックス教官、クイスマークの件、お願いいたします」
|