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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
お仕事です。 羊の占い師はすぐに見つかった。何しろ羊が一緒なので、目立つ。そして、幾人かの客がその周りを囲っているからだ。 「次の方、どうぞ」 付き人の男は言う。中年の女性が羊の前に立った。 「夫の帰りを待ち続けて三年になります。いっそ、探した方が良いのでしょうか?」 「分かりました。羊の言葉を聞いてみましょう。さ、アリエ」 「めえ」 男は箱を差し出した。少し降って羊の口元に寄せる。羊は口を箱の中につっこみ、その中の紙を一枚取り出す。 「ふむ、『今まで通り』だそうだ。今まで通り待ちなさい」 「ありがとうございます」 依頼人は、果物を一つ置いて帰って行った。 「さて、次の方は......」 男が言いかけて羊は男の袖を引いた。 「めえ」 「そうかそうか。今日はお開きだそうだ。明日また」 男は立ち上がると、羊を連れて帰って行った。 「そうそう、そこのお嬢さんと虎さん、話があるそうです。付いて来てください」
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