|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
気づけば、先月何も更新してませんでした。 「おんや、お嬢さんに虎。どうしたんだい?」 「実はお願いがありまして。私たち、この山を越えたいんだけど、日中まで頂上の村につくかどうか分からないのです。ここで野宿しようと思ったんですが、ちょうどあなた方が来たので馬車を寝床として借りたいのだけど」 「ああ、いいぜ。こんなかわいいお嬢さんなら歓迎だよ」 「よかった」 「ただし、借り賃はもらいます」 「しっかりしてるわね」 商人とはがめついものだ。 それでも、気のいい商人たちは彼女に食事を分けたり、楽しい話をしたりした。奥さんと思われる何人かの女性が彼女にアクセサリーを見せて売りつけようともした。子供たちは虎を見て、怖がったりそっとなぜたりしていた。 「ずいぶん大人しい虎だね」 彼女と同じような年の娘が言った。 「マレモンよ」 「あんたのペットかい?」 「いいえ、マレモンはペットじゃないわ。旅の仲間よ」 「ふーん、まあそういう捉え方もあるんだね。まあ、今日はあたしの馬車で寝るといいよ。遠慮はないさ、女子供ばかりだから」 「ありがと。あなた、名前は?」 「キイ・レイだ。あんたは?」 「クレン」 彼女はすっと手を差し出した。娘もすっとその手を握った。
|