|
気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
やられたぜ。すっごいやられたぜ! 目が覚めた。 「え? .....きゃーっ!」 彼女は窓を開けて確認した。日はすでに高い位置にあった。 「寝過ごした?」 今日一日はここに滞在する予定だったので、それほど困る事はないのだが、こんなことは初めてだと、軽いショックを受けていた。 「マレモンは?」 虎の姿はない。少なくとも視界に入る中では。 「どうした? クレン?」 「マレモンも寝坊?」 「久しぶりに心地良く眠った」 「そうね、私も良く眠れた」 彼女は着替えて宿の食堂に降りた。 「宿とは、ほとんど同じように出来ているんだな」 と、虎が言う。 「そうだよ。宿泊宿連合協会で定められているんだから。例外もあるけど」 食堂には人がまばらにいた。 「お嬢さんも寝坊かい?」 「すいません、朝ごはん終わっちゃいましたよね」 「大丈夫だよ。ここで初めて泊まる人たちはみんな寝坊するんだ」 この村は、『海の子守唄』と呼ばれるらしい。 「この宿で泊まった人たちは皆子守唄を聞いてよく眠るんだよ」 おかみが、自慢げに言った。
|