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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
ゲルマンさんします。(注*自分用語/しかも今作った) その夜から雨と風が強くなった。虎の言う通り、嵐はまたこの港町に現れた。彼女が眠っていると、再びその音が廊下に響く。 ひたり、ひたり......。 彼女は起き上がった。この宿に、幽霊などいない。宿屋の息子がそう言うのだから、そうなのだろう。だから彼女は起きる事が出来た。 ひたり、ひたり......。 彼女はドアノブに手をかけ、開ける。 そこには、雨に濡れた蛇が一匹這いずっていた。 「ヘビ......」 「よう、姉ちゃん。ここに虎がいなかったかい?」 「あ、あなた、チャーミグさんの?」 「もしかして、マレモンを知っているのか?」 体長五十センチほどのその白ヘビは彼女の部屋に入り込んだ。 「いやー、助かったよ。俺、トップってんだ」 「そ、そう」 「いやー、マレモンをこの家で見かけてさ、この中にいると思って昨日の夜も探したんだけどよ、見つからなくてね。俺の姿見ると人が、きゃーきゃー言うからよ、夜にしか動けないしな」 「そ、そう」 どんどん近づいて来る蛇を彼女は避けるように移動する。 「いや、ホント助かったよ。で、マレモンはどこだ?」 「この宿の隣にある馬小屋よ」 「そうか、外か。でもな、外嵐だからな。ここに泊めてくれ」 「いいけど、近寄らないでね」 彼女は、蛇は苦手だった。
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