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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
今、悩んでいます。 彼女はカウンターに座って、飲み物を頼んだ。寒かったのでカフェラテ。一人、それを飲み、客たちの話に耳を傾けた。 「いや、ありゃ、本物だよ」 「んなわけないだろ? あってたまるか」 「なんだ、お前、怖いのか?」 という、会話。他のテーブルでは、 「海ってヤツは出やすいんだよ。よくあるだろ、ずぶぬれの幽霊の話。海難事故で死んだ奴らが出るんだよ」 「ああ、俺、昨夜聞いちゃったんだよ。濡れたような足で廊下歩く音」 彼女は更に寒気を感じた。 「あの、お聞きしたいのですが......」 カウンターの店員に声をかける。 「なんだい、お嬢さん」 「ここって、出るの?」 「まあ、皆そんな噂してるけどさ、俺は長年ここの息子やってるけど、幽霊なんてたぐい、一度も見てないぞ」 「そう。そうよね」 その晩には嵐も弱まり、彼女は一度虎のもとに言った。 「明日には出発できそうね」 「いや、嵐はまだ去らない。もう一度来る」 と、虎は言う。虎の天気予報はよく当たる。だから、彼女は明日の朝は来ない事を告げ、宿に戻った。
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