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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
が流行っているよう。 彼女と虎は、港町にいた。 「マレモン、海だよ」 「海か。いつ見ても不思議だな。どこまで広いのかわからない」 「そうね、魚はおいしいけどね」 「魚か。私は苦手だな」 しかし彼女はあえて魚介料理店に入り、注文をする。 「マレモンは何がいい?」 「いや、だから魚は得意じゃない」 「サーモンのカルパッチョなんかいいんじゃない?」 彼女はそう言って注文する。 虎は諦めて彼女が皿に分けたカルパッチョを食べた。 「うまい」 「でしょ?」 「今まで焼いたものしか食べた事がなかった」 「やっぱりねー。新鮮なものは生でも食べられるんだよ」 今まで虎は海や港町に行く事はなかった。遠くから海を見て、ただただ広いとしか思っていなかった。 港町に来たからと言って、船に乗ったりするわけではない。そうすると虎の目的から外れてしまう。チャーミグはあくまでこの大陸に住んでいて、そこから言葉を教えた動物たちを世に送り出したからだ。 「でもさ、中には大陸からでちゃった動物もいるんじゃない?」 「いるかもしれないが、あまり考えられない」 と、虎は思う。あの人の王となったドラゴンであれば大陸など出るに容易いだろうが。 「チャーミグは船というものが嫌いで、それを本当に恐ろしいものと教えた。だから、私は船というものが怖い」 「そうなの?」 虎にそう教え込んだのなら、他の動物たちにも同じように教えただろう。
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