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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
いや、何でもないです。 「さあ、神を殺しその娘を解放してください」 しかし、彼女は戸惑っているように見える。 「どうしたんです。早くなさい」 「......」 なにか言いたげに彼女は神父を見る。 「もう、いいです」 ふっと彼女から力が抜け、床に倒れる。 「クレン」 虎は彼女を前足でゆすり起こす。まもなくして彼女は目覚めた。 「あれ? ここは?」 「教会。クレン、操られていた」 「操られて?」 神父を見る。 「あれを解放させようとしていた」 「あれ......」 彼女はそれを見た。彼女の目には禍々しい物と痛々しい物が混ざり合った物に見えた。 「何、これっ!」 「少女の魂を束縛しているらしい」 「こんなものが......こんなものがあるなんて!」 彼女は涙を流した。 「クレン、泣いてるのか?」 「わかんない。自然に流れて来た。でも、分かるの」 彼女は一度宿に戻る。そのままベッドにもぐって寝てしまった。戻る際、神父の事などもう頭に無かったようで、彼を咎めたり蔑んだりする事はなかった。
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