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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
何も考えてないわけじゃないけど、ほとんど考えてないとの同じって、何? 「どうして旅を続けていらっしゃるんですか?」 神父が尋ねて来た。 「いろいろありまして......」 「男は信じられないと言ってい......」 彼女は虎のしっぽを踏んだ。 「世界を知りたいからです」 「そうですか。その剣は?」 「これは父の形見です」 「お父さんの? そうですか。あなたもそれを使うんですか?」 「私は剣は使えません」 「それじゃ、一人旅は大変でしょう?」 「一人じゃないです。マレモンも一緒ですから」 虎は少し顔を上げた。 「だから平気です」 「そうですか」 食事を終える。 「いやあ、クレンさん、今日は久しぶりに楽しかったです。明日にはご出立されるとは残念ですが、よい旅を」 「いえ、今日はすっかりごちそうになっちゃって......ありがとうございます」 「いえ、本当に美人さんとお食事ができてよかった。では、おやすみなさい」 「おやすみなさい」 「クレン、あの人には......」 「あんなにいい男の人、初めて」 「そうか」 虎にはよく分からなかった。しかし、彼女の照れくさそうな仕草はわかった。
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