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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
始めますか。 「きれい」 日に当たってきらきらと輝く色とりどりの玉。彼女はそれを眺めていた。それを受け取ろうとする民衆たちは押し合いへし合いで宙に腕を伸ばした。 「ぎゃっ」 彼女は前につんのめった。彼女が倒れても玉に夢中な人々は気づかなかった。気づかず彼女を踏み続けた。 「ぎゃ、やめ、いたい!」 なんとかして起き上がる。起き上がろうとした時、地面に光るものがあった。 玉だった。赤い玉と黄色の玉。それは、城に入るための権利。 「あっ」 「大丈夫か? クレン」 「ええ。ねえ、マレモン。内緒よ」 虎が目を丸くする。彼女はそれをそっと虎に見せて、ポケットにしまった。 「玉を手に入れられなかった人は、手に入れた者を恨まぬように。王は来年もまた皆を招待する事を約束してくれた」 大臣はそう大声をあげた。 「玉を手に入れた人は今日の昼の鐘が鳴ったら城の前に集まれ!」 そう言って、大臣は城の中にもどった。
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