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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
話の続きですね。 彼女と虎はピンチだった。 「どーしよー」 「吠えるばかりの犬コロどもが!」 次の街までもう少しという所で、彼女と虎はオオカミの群れに囲まれてしまった。 「仕方が無いわね。水の精霊様、お願いします。オオカミたちに淡い夢を」 霧が立ちこめた。ただし彼女にだけは行くべき先が見える。 「マレモン、こっちよ」 「おお。しかし、クレン、オオカミどもが追って来る」 「なんでよー」 「奴らは鼻が利く。私たちを鼻で追っているんだ」 「水の精霊様、匂いを分散させて!」 後は、脇目もふらず走った。ようやく街に着いた時には、霧も消え、日も昇りきっていた。 街と言うよりは村という所だった。それでも、村と言うよりはまだ街らしい。宿も二、三軒あり、彼女はマレモンの為に厩のある宿を選んだ。幸い馬を使用している客はいないので、馬をおびえさせる事も無くマレモンはゆうゆうとそれを使う事が出来る。 「旅の方、オオカミは大丈夫だったかい?」 「え? ええ、なんとか切り抜けてきました」 宿の女将に聞かれて彼女は答える。 「それは良かった。運がいいのかもしれないね。ところであなたのお連れさんは本当に厩なんかでいいのかい?」 「ええ、虎だから。ベッドは好きじゃないみたいなの」 「虎?」 「はい、虎なんです」 「そうかい」 「大丈夫です。意外に人間の食べる物が好きだから」 マレモンと一緒に過ごしていくうちに分かったのは、人間の食べる物でも牛肉を使った料理だった。やはり、虎だけある。
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