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気まぐれ日記 DiaryINDEX|past|will
その一 えーと、仕事をする日が決まりました。 そうと決まると後は料理を堪能するだけだった。この二人は意外に単純に出来ている。 次の日の晩、二人はウェズマーカーの別荘(もとい、支店)を訪れた。妙な事にウォンテッダーは二人だけだった。 「おかしくねえか?」 「確かに妙だのう」 「しかし、お二方でも来てくださるのはありがたいことです」 この別荘に住み込みで働く初老の執事が二人を出迎え、中に通す。 「二日前、リースリーズが下見に来るという事で、多くのウォンテッダーたちが詰めかけましたが、いとも簡単にやられてしまいまして......」 「二日前に?」 「ええ」 執事の話によると、二日前リースリーズは下見に現れた。ご丁寧にこの時にも予告状は出している。彼女は大勢のウォンテッダーをいともあっさりと倒し、余裕で下見して出て行った。 「なので今夜はウォンテッダーが来てくれるかどうか、不安でした。大切な旦那様の思い出の品、奥方様とのラブラブな肖像画を盗まれたとしたら、わたくしめは旦那様に会わせる顔が」 「ラブラブか......」 「ラブラブ......」 二人は顔を見合わせる。笑うよりも眉をひそめた。 「夫婦仲は円満な方がよい。今月に入ってからというもの、副業の占いが、夫の浮気に悩む主婦の悩み相談室になりつつある。どうやら今月は夫婦仲が悪くなる何かがあるようだ」 「ほう、では、わたくしめも気をつけなければ」 「しかしよ、それにしても俺たち二人はねえよな?」 「案外もうすでにリースリーズは忍び込んで、先発のウォンテッダーを片付けてしまったのかもしれぬのう」 「じいさん、そこんとこどうなんだ?」 「隠しても小生らの目はごまかせられん、リースリーズ」 二人は執事に向かって言う。 「ああ、やっぱバレちゃったか」 執事の声が少女の声に変わる。そして、姿も黒い服の少女に変わった。 「主婦の悩み相談室、私も聞いてみたいわ」 「小生の代わりに聞いて欲しいくらいだが、そうもいかん」 アニムが身構える。 「アニム、やっぱ嫌な予感がするわ」 剣を抜きつつも、バルクはやや情けない言葉を発した。
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