気まぐれ日記
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と、いうか予定通り進んだ。 ズボンも買ったし、コピーもしたし、渡すものも渡した。 で、今ケーキ作ってます。と、言っても折り紙のケーキですが。 百円ショップにそんなケーキを作る折り紙が売っていたんですよ。なんかいいじゃないですか?
レイムが病室を出ようとすると、少女が駆けつけてきた。 「大変です、レイムさん!」 「どうした? リュー」 「リースリーズがっ!」 「何だって!」 レイムも急いで駆け出していった。俺もそれについていく。リースリーズ、聞き覚えがあった。もしかしたら、記憶をなくす前の唯一の言葉かもしれない。 玄関前に人々が集まっていた。外来、入院患者、医者、看護士、そしてレイムとリューと呼ばれた少女......呆然と立ち尽くして時計を眺めていた。その時計は、大きく古い。この病院のシンボル的な存在であった。俺もそれを見る。間違いなく時計だった。ただし、時を教える事はなかった。 「針が、ない」 しばらくは、時が止まっていた。 「こんなことが......」 院長がつぶやく。時を教える事が出来なくなった時計は寂しくも見える。同時に俺は悲しくなった。 リースリーズは、この時計から時を奪ったのだ。 「リースリーズ......」 俺は思い出した気がする。 「俺は、リースリーズに記憶を盗まれたんだ......」
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