気まぐれ日記
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なんつーか、忘れます。 忘れます。 忘れたい事はたくさんありますが、大事な事は......忘れます。 すんません。昨日の話、よくわからないですね。
「それにしても、怖くなかったの?」 「何がですか?」 「あのドラゴンよ」 「いいえ、ちっとも」 やはり、リューはただ者ではない。彼女は自分が人間であるということに自信を持っていた。人とは少し違う姿をしているが、それでも人間の世界で住んだ彼女は、人間なのだ。 病院についた俺たちは客間に案内された。 「ようこそ、いらっしゃいました」 院長である初老の男、フェディーは、俺たちの事を迎え入れた。ただ「リースリーズを捕まえたい」と言っただけで。 「私たちもびっくりですよ。あの時計を盗むなんて」 「玄関にあった時計が、それですか?」 「ええ、大きい古い時計といったらあれぐらいですから」 病院に入るとすぐ、時計が迎えてくれる。そんな病院だった。 「あれは私の祖父の代の代物でして、今でも時間を知らせてくれる大事な時計なんですよ」 「それを、またリースリーズが......」 「信じられませんが、あれのどこにそんな価値があるのですかね」 盗むにしては大きすぎる。いくらなんでも。 だが、リースリーズは必ず盗むだろう。
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