気まぐれ日記
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明日は休みます。たぶん、簡単に日記書いて終わると思う。 理由は聞かないで下さい。
「なんでっすってぇー!」 案の定、イザリアは叫んだ。そして地団駄を踏んだ。古い宿の床はぎしぎしと彼女の地団駄に耐える。 「王族も余計なことをするものね。あー、もう信じられない! 何のためにフォーランズに来たの?」 彼女はその後、五回ほど同じ言葉を繰り返した。 「ともかく、リースリーズの次の目的を調べないと。また新聞に出ないかな」 もう夕刊の出る時間だ。リースリーズが予告を出ているとしたら明日の朝の新聞だ。 「レイム君はどうしてそんなに落ち着けるのよ」 「慌てたってどうしようもないから」 「じゃあ、私のイライラはどうすんの?」 「知るかよ、そんなの」 無茶苦茶なことを言い出している。よっぽど悔しいのだろう。 「なら、ちょっと店でもぶらぶら見てくるか? 最近服も見てないし」 「服?」 イザリア、少し訝しげに見てくる。意外なことを言い出していると思っているに違いない。男が服装にこだわるのは貴族くらいだろう。 「どんな服が流行ってるかなってな」 「レイム君、オシャレ……ってわけじゃないよね?」 彼女は俺の頭から足先を見て判断する。まあ、ウォンテッダーは動きやすさを重視するものだから着る物はシンプルである。 「俺、これでも仕立て屋なんだ」 「仕立て屋?」 実家は仕立て屋。メーカーから依頼を受けてそのデザインの服を作る仕事。彼女は信じられないようで今度は疑いの目を向けてくる。 「なんだよ、その目は?」 「いまいち、信じられないわ」 「ああ、まあ信じなくてもいい。別に」 そう言われても仕方がない。何故ならウォンテッダーというのは、ガサツなものと評させるものだ。イメージ的に当てはならないのだろう。良くない傾向だ。人を見た目で判断している。 「じゃあ、俺は行くけど。イザリアは?」 「行く」 彼女は即答した。
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