気まぐれ日記
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国道の始点、駅前にてそんなキャンペーンがあった。「はあ」「へー」とか言ってあいまいに返していたんですが、ボールペンもらい「ありがとございます」人間、現金ですよねー。 ちょっとした旅行に行く際、乗りたかった列車が満席だったため、違う方法で行くことに。「あのー、女性車両ありましたよね?」「はい、それでとりましたよ」反省してるじゃないか、駅! (昔、それで何も知らず普通にとって文句つけたことがある) なんで、ちょっと満足。
「あと、まだ検査がお済でない人は?」 「小生だが」 ほとんどの男性客が検査したと思ったが、フードを目深にかぶった少年が前に進み出てきた。 「すいません、それを脱いでいただきたいのですが」 「分かっておる」 少年がフードを取る。そこから長い耳がひょっこり現れた。誰もが息を呑んだ。エルフだ。しかも男の、だ。百のうち一しか生まれないと言われる男のエルフだ。 「済まん。目立つとやりにくいのでな」 やけに年寄りじみた話し方をする。エルフって、皆そうなのか? 身体検査では見つけることが出来ず、やはり落としたとなり船内をくまなく探した。婦人は見つけた者にお礼を出すと言ったのでやっきになって探すものもいた。 だけど結局、ブローチは見つからなかった。 夜になってほとんどが部屋に戻る。俺たちも部屋に戻った。イザリアとは別室だが隣である。寝付けなかった俺は甲板で夜風に当たってくることにした。 その中に、一人の女が暗い海を眺めていた。腕を振り上げて何かを投げようとする。その腕を掴んで止めた。 「!?」 「何するんだ!」 きぃっとにらみつけられた。 「リースリーズ?」 「ちっ!」 腕を振り切り彼女は俺の方を向く。 「よくわかったわね。しょうがないわ、あんたに返す。好きにしなさい」 「なんで、これを捨てようとした?」 「私には価値がないものだったからよ」 手の中のものを放り投げる。婦人のブローチだ。現物を見たことはないが、大粒のエメラルドと聞いていた。 なんでだ? 金にはなるはずだが? 「じゃあね」 「あ、待て!」 彼女は自ら柵を越えて身を投げ出す。リースリーズの身体は暗い海に消えた。 「……」 翌朝、船員にブローチを渡した。 「拾ったんだ」 「くまなく探したのになあ。婦人を呼んできます」 「いや、いい。礼はいらない。あんたからあの婦人に渡してくれ」 「そうですか?」 少しいぶかしげな顔をしたが、手柄を自分のものにしようと考えたのだろうか? 彼はそそくさと去っていった。
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