気まぐれ日記
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働いて帰ってきてからでも、ふすまを閉めちゃうと真っ暗なんで眠れます。(窓がない部屋なんで) 人間、案外うまく出来ているものです。
「わかった、ロディサ。いい子だから戻し方を教えてくれ」 結局、ロディサを除く家族総出で、家を直した。クレイスは幼かったがかなりの時間を要したのは覚えている。父が頭を抱えていた。「どうして、こんな複雑な魔法を作ることができるのだろう」と。そして「どうして、イタズラで使うのだろう」と。 「そういうこともあったし……」 「まだあるのか?」 「とにかく、毎回驚いたから」 クレイスは姉が何をしでかすか恐れている。姉にとって、予知をするのは微々たる魔力ですむのだ。魔力はたまりにたまり、行き場のない状態になっているだろう。それをイタズラに用いるだろうから。 「姉さんは、きっと何かする」 「何もしないことはないだろうね」 コクヨウも認めた。 「例えば、世界の位置をずらすことだって……」 クレイスは、立ち止まった。この国で見ることが出来ない草花、昆虫が目に入る。 「コクヨウ、街が……」 長い間、旅をしてきたクレイスはすぐにわかった。以前北を旅したときに見た大都市である。 「まさか……さっきまでは、確かに」 さすがにコクヨウも言葉を失った。それ以上は口をパクパクさせるだけだった。 「姉さんの、イタズラだ」 世界の地理を変えるほどのイタズラ。大々的で大胆な……イタズラという言葉だけではもう済まされない。
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