気まぐれ日記
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2006年04月17日(月) 鈍い鈍痛

 鈍いから鈍痛なのに……。アホだ。
 
 今週の一言:やっぱり、姉上は姉上だった。そして、やっぱり銀さん、Sだったんだ。ハンデと言うより、バカだよ。(笑)それよりも、ルールも何もないような人たちなんだけど……。
 (あと、九ちゃんはもしかして女の子なんじゃないの?)



 十年も前のことになるかと、彼は思った。
 彼の家は類まれなる魔力の持ち主だった。魔法家であり、代々国王に仕えていた。女ばかり五人続いた後に生まれたクレイスは特に魔力を多く持っていた。その使い方を教えたのは、長女ロディサだった。彼女は、彼を溺愛した。その理由は単純で「弟が欲しい」からだった。両親にとっては待望の男の子だったが、彼女にとっては待望の弟だったのだ。
 そんなわけで、下の四人には「ひいきだ」ととがめられながらも彼女はクレイスにいろいろなことを教えた。
 魔法のことから日常のこと、更にはイタズラまで。ロディサは天才的なイタズラをクレイスにやらせていた。もちろん、怒られるのも一緒だったが。
 クレイスにとって、ロディサはいつも笑顔で優しく子供らしく、まるで友達のような姉だった。
 他の四人の姉とも仲は良かった。ロディサが学校へ行っている間は、五女のマタイトが遊んであげた。四女コーラルは得意のお菓子を作っては喜んで食べてくれるクレイスにあげた。読み聞かせの得意な三女ピスラズは本を読んであげたり字の読み書きを教えた。裁縫が得意な次女クロラストはよく編み物をしたり服を作った。
 傍目から見ても、実際でもこの姉弟たちは仲が良かったのだ。
 ただ、目立ったのはやはり、ロディアサとクレイスの二人だった。
 そんなロディサが巫女に選ばれた日、彼女は必ず帰ってくると行って、家を出た。クレイスは十五だった。この頃になるとさすがにベタベタすることはなかったが、姉の愛情を無下にはしないでいた。


草うららか |MAIL

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