気まぐれ日記
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2006年03月25日(土) 相変わらず

 FFはあまり進まない。
 なぜかというと、ヤツが倒せないからだ。
 ヤツ。いわゆる、モブ。話を進めるのもいいけど、ゆっくりやりたいのもある。
 まあ、あせらずに行こう。



 「崖から落ちたときに、ケガを治したのはエリュウスなのか?」
 「いや、あんたはあまりケガをしていなかった」
 男が一人残ってブロードの話し相手となった。彼は、エリュウスの父でブロードを刺した男だった。剣にはちゃんと対妖魔用の魔法が施してあった。
 「そうか」
 ならば、妖精主の力が働いたのだろう。
 「俺は、少しは人の道外しているけど妖魔とかそんな類じゃない」
 「そうかい。エリュウスが悲鳴を上げたもんだから、つい」
 「俺も、悪かった。ここは魔法のことは禁句なんだな」
 「ここで魔法を使うのはエリュウスだけだ」
 「でも、なんで彼女だけなんだ?」
 普通ならば魔法というのは家で代々伝えられていく。ここように誰にも見つからない、名もない村だとすれば、村全体に伝わっている魔法があり、それを代々伝えるといったものがあるはずだと思われる。
 「この村は呪われている。私の娘のように村で一人だけが魔法を使えるようになる。そして、ケガをしたとなれば皆、娘に助けてもらう。娘は助けるごとに自分の命を消耗する。皆、長生きは出来ないよ。娘の前に魔法を使える女は、三十になる前に死んだんだ。その前は二十半ばで……」
 「なんで、そんな呪いが?」
 「昔、妖魔を怒らせたんだとさ」
 また、妖魔か……。
 「妖魔に何をしたの」
 「ああ、詳しい話なら村長がしてくれるだろうよ」
 
 村長の家に案内される。その途中、村の様子も見る。ブロードは奇異な目で見られた。誰も見つけられない村に入っているんだから珍しいのだろう、とブロードは思う。村長もまた、珍しげにブロードを見た。
 「旅の者か? 何しにこの村へ?」
 「いえ、エリュウスさんに助けられました」
 「そうか。あの子は優しい子だからな。もういいのか?」
 「ええ、おかげで」
 脇腹の傷はもう癒えている。傷をふさいだ分、早い。
 「ならば、もうこの村を出た方がいい。お前は妖魔に似ている」
 「似ている?」
 「その髪の色、目の色がだ」
 「妖魔には定まった色はないよ」
 「だが、言い伝えによる妖魔と同じなのだ。旅の者にはすまないが、早く村を出た方が懸命だ」
 「……わかりました。明日の朝、早く出ます」
 「そうしてくれ」
 「ただ、この村にかけられた呪いは解くことが出来るかもしれません」
 「なんだって!?」
 「でも、明日の朝まででは到底無理だと思います。このことは聞かなかったことに」
 「待ってくれ!」
 村長はブロードを止める。ブロードは、心中でにやり、とした。


草うららか |MAIL

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