気まぐれ日記
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FFはあまり進まない。 なぜかというと、ヤツが倒せないからだ。 ヤツ。いわゆる、モブ。話を進めるのもいいけど、ゆっくりやりたいのもある。 まあ、あせらずに行こう。
「崖から落ちたときに、ケガを治したのはエリュウスなのか?」 「いや、あんたはあまりケガをしていなかった」 男が一人残ってブロードの話し相手となった。彼は、エリュウスの父でブロードを刺した男だった。剣にはちゃんと対妖魔用の魔法が施してあった。 「そうか」 ならば、妖精主の力が働いたのだろう。 「俺は、少しは人の道外しているけど妖魔とかそんな類じゃない」 「そうかい。エリュウスが悲鳴を上げたもんだから、つい」 「俺も、悪かった。ここは魔法のことは禁句なんだな」 「ここで魔法を使うのはエリュウスだけだ」 「でも、なんで彼女だけなんだ?」 普通ならば魔法というのは家で代々伝えられていく。ここように誰にも見つからない、名もない村だとすれば、村全体に伝わっている魔法があり、それを代々伝えるといったものがあるはずだと思われる。 「この村は呪われている。私の娘のように村で一人だけが魔法を使えるようになる。そして、ケガをしたとなれば皆、娘に助けてもらう。娘は助けるごとに自分の命を消耗する。皆、長生きは出来ないよ。娘の前に魔法を使える女は、三十になる前に死んだんだ。その前は二十半ばで……」 「なんで、そんな呪いが?」 「昔、妖魔を怒らせたんだとさ」 また、妖魔か……。 「妖魔に何をしたの」 「ああ、詳しい話なら村長がしてくれるだろうよ」 村長の家に案内される。その途中、村の様子も見る。ブロードは奇異な目で見られた。誰も見つけられない村に入っているんだから珍しいのだろう、とブロードは思う。村長もまた、珍しげにブロードを見た。 「旅の者か? 何しにこの村へ?」 「いえ、エリュウスさんに助けられました」 「そうか。あの子は優しい子だからな。もういいのか?」 「ええ、おかげで」 脇腹の傷はもう癒えている。傷をふさいだ分、早い。 「ならば、もうこの村を出た方がいい。お前は妖魔に似ている」 「似ている?」 「その髪の色、目の色がだ」 「妖魔には定まった色はないよ」 「だが、言い伝えによる妖魔と同じなのだ。旅の者にはすまないが、早く村を出た方が懸命だ」 「……わかりました。明日の朝、早く出ます」 「そうしてくれ」 「ただ、この村にかけられた呪いは解くことが出来るかもしれません」 「なんだって!?」 「でも、明日の朝まででは到底無理だと思います。このことは聞かなかったことに」 「待ってくれ!」 村長はブロードを止める。ブロードは、心中でにやり、とした。
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