気まぐれ日記
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なんです、うちの妹。(いやね、なんかごたごたしたことがありまして) で、ひょっこり訪ねようかと計画。ちょうど、祭りですからね。 8丁目に足湯なんてなのあるんで、行って見ちゃおうかなー……。
食堂。何人かのウォンテッダーがいるが、閑散としている。夜、店を開けることが出来ず、商売にならないと店主が嘆いていた。 「あの、すいません」 「なんだい、嬢ちゃん」 フレクアのような年頃の少女がウォンテッダーにいないわけじゃないが、彼女の育ちのよさと見た目からそう見られない。 「最近、この町でうろつく魔について、何か教えてください」 「嬢ちゃん、ウォンテッダーかい?」 店主が笑いそうになり、そばにいたウォンテッダーが噴き出す。彼女は気にせずに続けた。 「はい」 「もしかして、役所の依頼を受けたのかい?」 「いえ……ただ、仲間がそれに巻き込まれて眠ってしまったのです。何か、助ける方法がないかと探してます」 「あいにくだが、眠ってしまった者は死んでも起きん。病院へ行ってみな」 「……行きましょう、ゼデュー」 「はい」 フレクアもゼデューも期待していたわけではないが、これほどまでに情報がないことにがっかりした。言われた通り病院に向かう。 その魔と戦うには、どうしたいいのだろうか? と、フレクアの中で考え始めていた。相手は魔族かもしれないのに。 「ねえ、ゼデュー」 「なんですか?」 「魔族と戦うには、何が必要?」 「魔族に対抗する武器、魔法です」 「でも、ないわよね、私たちには」 「でも、まだ魔族と決まったわけじゃありませんよ」 「……」 町の人に聞いて病院に到着する。ここに十数名のウォンテッダーたちが、眠りにより入院していた。医者に魔についての聞いても首を振るばかりだった。眠りながら衰弱し、餓死する。その眠りの原因は不明。 「お嬢さん、ご兄弟は?」 「たくさんいますけど」 医者の一人が首をかしげて聞いてきた。 「その中で近いのは……」 「双子の兄がいます」 「では、ちょっとこちらに」 もしかして……。嫌な予感がする。医者に案内され通された病室。そこに数名の患者がいる。しいん、と静か過ぎるほどの病室。 「に、兄様……」 そこに、彼女の双子の兄が眠っていた。 「似ていると思いましたが……。やはりご兄弟でしたか」 「……」 フレクアが、がくりと膝を落とした。慌ててゼデューがそれを支える。 「まさか、兄様が……」 「すまないが、助けられるかどうか」 フレクアは何も言わず、病院を出た。ゼデューは彼女の代わりに、医者に礼を言った。そして、今後も看病もお願いした。 宿でまだ泣き止まないフレクアにゼデューが言う。 「フレクアさん、しっかりしてください」 「ゼデュー……?」 「まだ、助からないと決まったわけじゃありません! いいですか、今夜、僕が退治するといいます」 「それで、どうするの?」
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