気まぐれ日記
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2006年01月23日(月) コドモドコモダケゲット

 早口言葉。三回唱えてみよう。
 本気にしないでね。(するかっ!)
 
 あったんですよ、がちゃがちゃのヤツで。で、見事にちっちゃいのゲットして携帯についてます。
 「こんな、キノコに手足ついたヤツのどこがいいの?」
 と、きかれましたが、なんか心惹かれるものがあるんですよ。


 その空間。暗い海のような所だった。足首ほどの深さが永遠と続いていた。そして、下は埋もれそうで埋もれない砂。
 「気味が悪い」
 樹理がつぶやく。
 「何用か?」
 男の声だった。ブロードが声の方を振り向く。人間で言えば三十代後半ほどのがっしりとした体の男だが、ここにいる以上人間でないことはすぐにわかる。
 「あんたが、アイナスターか?」
 「そうだが。お前は?」
 「ブロードってんだ。よろしく。早速だけど、ここに……」
 「オフィーリスなら逃げた」
 「逃げた!?」
 樹理が叫ぶ。
 「消滅しそうになり、逃げた。母親を助けることもなくな」
 アイナスターはつまらなそうに言う。
 「母様……」
 「ジュリちゃん。姉さんなら大丈夫だよ。逃げたってことはそれだけ危険なのかも知んないけど無事だよ」
 「……」
 「ブロード……、聞いたことがある。人間から魔族になったという者か。 今、お前から魔族というものを奪ったら、どうなるんだろうな?」
 「はぁ? そんなことが出来るんなら、やってみるといいよ」
 どうせ、もとは魔族じゃなかった。人間性が残っているならそれが残るだろうし、まったく残っていなかったら自分は消滅してしまうだろう。
 「さあ、やってみろ。俺に人間が残っているから」
 アイナスターが笑う。つられてブロードも笑う。彼は消えるつもりはない。だから、笑った。
 「ブロード、お前のどこにそんな自信がある!」
 樹理が叫ぶ。
 「心配ないよ、ジュリちゃん。姉さんもこの世界にいるし、無事だ」
 「何を……!」
 ブロードの姿が消えていく。
 「ブロード、お前……消える!」
 完全に姿が消える。そして、アイナスターが表情のない顔で近づいた。
 「お前、オフィーリスの娘だな。人間と魔族の間からか。所詮は出来損ないだ。あのブロードと同じだな」
 「アイナスター……」
 「なぜ、私が負の存在かと言われているか、わかっているな?」
 樹理はうなずいた。彼には、魔族特有の吸収というものが効かない。吸収しても意味がない。何も得ることがなくアイナスターにもダメージがない。逆に自分が吸われてしまう。
 「親子ともども、消えようか?」
 アイナスターが樹理を掴もうとする。その腕をブロードが蹴り上げた。
  


草うららか |MAIL

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