気まぐれ日記
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2006年01月16日(月) 冷たい一家?

 携帯のデコメ。私もたまに、顔文字(登録されているヤツ)程度は使うけれど、これを使う人はめいっぱい使う。
 が、うちは妹ですら淡白なメール。妹の友人は「怒っているの?」「男とメールしているみたいだ」と言うそうだ。
 要するに、面倒くさいんだと。



 それから三人は、フォーランズへ向かう。
 「久しぶりに会いたくて」
 オフィーリスが言う。
 「誰に?」
 「グオンよ」
 「あの女たらしか」
 「あら、男の人が女性に優しいのはいいことだと思うわ」
 「あいつの場合、行き過ぎているだろ」
 そうこう言っているうちに、フォーランズにいた。樹理の移動術の賜物である。
 「人間にもし、この移動力があったら」
 と、ブロードが言いかけて樹理はすかさず続ける。
 「今頃滅んでいるな」
 「確かに」
 城の中は夜だからなのか、しいんとしている。さすがに昼間堂々と入るのはまずいらしい。
 「この城も変わらねーな」
 「そうね。でも、この世界はそういう世界なの」
 異世界では進歩が世界を破滅させた、ということを何度か聞いたことがある。変化には何かしらのリスクがついてくるということらしい。
 「グオン、入るわよ」
 ノックして、その扉を開けた。変わらない男がそこにいる。相変わらずこの城にいて、相変わらず女には笑みで迎える。
 「父様!」
 樹理がブロードの聞いたことがないような甘い声で、グオンに向かっていって抱きついた。
 「な、なな、なっ!」
 「なんだ、お前もいるのか? 樹理、久しぶりだな。元気にしていたか?」
 「うん。樹理、父様に会いたかった」
 樹理の変わりぶりと父親がグオンということにブロードはめまいを起こしそうになる。
 「グオン、あれでも親バカなのよ」
 「知ってるって」
 聞かなくてもわかる。あのグオンだ。娘ならベタぼれだろう。
 ブロードはふらふらと部屋を出た。


草うららか |MAIL

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