気まぐれ日記
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携帯のデコメ。私もたまに、顔文字(登録されているヤツ)程度は使うけれど、これを使う人はめいっぱい使う。 が、うちは妹ですら淡白なメール。妹の友人は「怒っているの?」「男とメールしているみたいだ」と言うそうだ。 要するに、面倒くさいんだと。
それから三人は、フォーランズへ向かう。 「久しぶりに会いたくて」 オフィーリスが言う。 「誰に?」 「グオンよ」 「あの女たらしか」 「あら、男の人が女性に優しいのはいいことだと思うわ」 「あいつの場合、行き過ぎているだろ」 そうこう言っているうちに、フォーランズにいた。樹理の移動術の賜物である。 「人間にもし、この移動力があったら」 と、ブロードが言いかけて樹理はすかさず続ける。 「今頃滅んでいるな」 「確かに」 城の中は夜だからなのか、しいんとしている。さすがに昼間堂々と入るのはまずいらしい。 「この城も変わらねーな」 「そうね。でも、この世界はそういう世界なの」 異世界では進歩が世界を破滅させた、ということを何度か聞いたことがある。変化には何かしらのリスクがついてくるということらしい。 「グオン、入るわよ」 ノックして、その扉を開けた。変わらない男がそこにいる。相変わらずこの城にいて、相変わらず女には笑みで迎える。 「父様!」 樹理がブロードの聞いたことがないような甘い声で、グオンに向かっていって抱きついた。 「な、なな、なっ!」 「なんだ、お前もいるのか? 樹理、久しぶりだな。元気にしていたか?」 「うん。樹理、父様に会いたかった」 樹理の変わりぶりと父親がグオンということにブロードはめまいを起こしそうになる。 「グオン、あれでも親バカなのよ」 「知ってるって」 聞かなくてもわかる。あのグオンだ。娘ならベタぼれだろう。 ブロードはふらふらと部屋を出た。
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