気まぐれ日記
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なんか、それにしては多いような……。 積もり方が尋常でなくなってきているような……。去年はどのくらい降ったっけ? ともかく、多い。多すぎる! って、新潟とかそっちよりは全然マシなんだけどね。
「とにかく、オフィーリス姉さんのところへ向かうよ」 「それは必要ないわ。ブロード」 空からの声。神出鬼没は魔族の特権でもあり、オフィーリスの大の得意技である。 「母様」 「久しぶりね、樹理、ブロード」 「オフィーリス姉さん、頼むから説明してくれ」 「ええ……樹理も聞いて」 樹理は何も言わず、うなずいた。 「あなたたちには、本当に悪いことをしているわ。でも、私にはどうすることも出来ないでいる。ただただ、この魔族を消しなさいと言うだけでその理由を言っていない」 「そうだね」 ブロードが表情を和らげる。本当なら怒鳴っているところだが、そういう気にもなれなかった。 「今から、理由を言うわ」 「どっちでもいいからだろ? 俺たちが消えても、このメモに載ったやつらが消えても……」 オフィーリスは黙った。ブロードの言う通りだった。 「ごめんなさい」 「でも、姉さんが、自分の娘まで消滅させようなんていうのは信じられない」 「当たり前じゃない! ブロード、あなただって消せはさせたくない!」 オフィーリスが感情的になるのをブロードは初めて見た。樹理が心配そうに彼女を見ている。 「じゃあ、俺たちがこのメモに載っているやつらを消せばいいんだね」 「そう……でも、次々にそれは現れる。倒せばまた次って」 魔族は、毎日のように生まれ毎日のように消える。だから、増えも減りもしない。それは、彼らがお互いに消しているからだ、と言う。 「で、姉さん。それを計画したのは誰なんだ?」
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