気まぐれ日記
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するはずないじゃん! とか、思ったら少ーしだけしました。
今週の一言(今回出るのずれました):やっぱ、警察はアテに出来ない。
スタウトが魔族に切りかかる。ばっさりと切られる魔族。 「な、人間の武器が!」 「ああ、そうさ。ロセウの魔力のおかげで」 スタウトがもう一度刀を振り下ろす。魔族の腕が切られた。 「こんな芸当が出来る。俺たち、結構ウォンテッダーの間でも有名なんだぜ」 「悪い方向でな」 「くっ!」 「逃がすな!」 「もちろん」 逃げるために消えかける魔族にスタウトは刀で刺した。ロセウが刃に手を置き、短い呪文を唱える。刃が光り、魔族が悲鳴を上げた。 「お、覚えてろよー!」 魔族が、消滅した。 「明日には忘れるから、無理」 「お前の場合、夕食食ったら忘れるだろ」 「うん」 船内が静かになった。明日には陸に上がれる。ロセウはなんとなく、陸に上がったら肉料理を食べよう、と思った。 「そういうことで、賞金ください」 ロセウは船長に交渉するが、結局ただ働きになった。賞金首にするには手順があり個人が独断で賞金首にすれば、個人が賞金を負担しなければならない。国単位が賞金首にすると公から賞金が出るのだが……。 「君たちには感謝するが……君たちは一体何者だね」 「ウォンテッダーですよ。ただの」 ちょっとばかし、運がいい。 「いや、しかし魔族をこうも簡単に倒せるというウォンテッダーなら名のある方だと……」 「いいえ。ただ、英雄ヒーガル=バルク、アニム=マスディスにあこがれてるからなんで」 「そうですか。でも、あなた方なら、その英雄を超えられるかもしれませんね」 「ありがとうございます」 「そうそう、賞金は出せないが船賃は只にしよう」
翌日、二人は陸に上がった。街を通り過ぎ街道に出る。 「さてと、じいちゃんの墓参りでもするか。ロセウもうちでゆっくりしてけよ」 「うん」 スタウトは久しぶりに実家のある国に足を運んだ。彼の祖父の故郷に近いこの国は今の季節は穏やかである。ビアソーイダほどにぎやかでない。更に街とは離れているので静かだった。ロセウの好きな国の一つである。 「で、母ちゃんに鳥シチューと魚フライと雑穀パンを作ってもらって……」 「お前、土産は?」 「もちろん、手に入れてあるぜ」 また少ししたら、彼らは旅に出るが、それまでゆっくりと過ごそうとロセウは思った。
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