気まぐれ日記
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2005年12月30日(金) |
明日は今年最後の一日 |
明日って……もう今日なのですが……。 今年も喪中なので家で大人しくしてます。 なんだかんだいって、実は初詣行くのが一番の楽しみなんですけど……(それも夜、寒い寒い言いながら行くのが)今年も出来ません。
と、ビアソーイダ王族にはそんな風習がある。剣術だけでなく武具全般において得意とする者もいるらしい。スタウトは最初父親からもらった剣を愛用していたが、今ではすっかり刀に魅了されてしまっている。もし、その刀に呪いがついているとしたら、それは魅了の呪いだろう。
スタウトの動きが止まった。 ゆっくりと刀を収める。キンっと澄んだ音が響いた。 「ふう……練習終わり」 「毎晩よくやるな」 「習慣だ。やらないと気が済まない」 「シャワー代が付くんだよ」 「お前が汗臭いだの言わなかったら入らねーけど」 「……」 船上では真水は制限されている。人が生きるに欠かせないものの一つであるからだ。それでもこの船は海水を真水にする機械を置いているので無制限とまではいかないが余裕はある。 スタウトがシャワー室に向かい、ロセウはバーに向かう。彼は夜に稼いでいた。 「占いは、どうだ?」 彼に占いは出来ない。ただ、長年培ったはったりがある。彼の育て親でもあるアニムが教え込んだのだ。 副業は身を助ける。 と、アニムは言っていた。ウォンテッダーとして有能で一財産を築いてしまったのだ。その影の功績に占いがある。 アニムの場合、その魔力は占いに少しだけ適していた。だが、そのほとんどを支えたのははったりである。ロセウには占いに適した魔力を少しも持ち合わせていないのだが、カードの意味とはったりを駆使して占いらしく出来るようになった。所詮占いなので当たらなくてもいいのだ。 「あなた、占い師なの?」 かなり高級貴族であろうと思われる婦人が返事をした。多少興味があるような目で見てくる。 「ああ、そうだ。当たるも八卦当たらぬも八卦。料金は……」 料金は安く設定している。外れてもかまわないという安さだ。もう一つ肝心なところは、ここである。 「私は、まだ駆け出しでね、これくらいの料金が妥当だと思っています」 「そう。じゃあ、気になる殿方がいるのですけど」 気軽さもまた、大事だ。そして、どうでも良さそうな内容は助かる。好きな人と結婚できるか? という具体的な内容より、あいまいに答えられる。
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