気まぐれ日記
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2005年12月28日(水) お約束どおり

 年末特別劇場・スタウトとロセウ編です。

 ざんげ・昔ロセウ書いた時、人間とのハーフで肌の色は普通だったんだけど、今回書いたら浅黒いになっていたね……。ここで書かなきゃ誰も気づかないだろうと思ったんですけど。(泣)


 「ロセウ、まだ着かねーのか?」
 「それ、何度目だ?」
 スタウトとロセウは船上にいる。スタウトにとっては船旅は退屈この上なかった。
 「もう、飽きたぁー。暇すぎで死ぬぅ」
 「じゃあ、死ね。そうすれば俺は晴れてお役御免になって自由の身だ」
 ロセウは面倒くさそうに言う。これもいつも言う台詞だった。
 「……ロセウー」
 「なんだよ」
 「たまには違うこと言って。つまんねーから」
 「まず、お前から違うこと言ってみろ」
 海は穏やかだった。嵐の気配もない。それが返ってスタウトを退屈させる。
 今、彼らが乗っているのは普通の乗客船である。ウォンテッダーがよく使うのは粗末で大部屋で雑魚寝することができて、船賃も安い船があるのだが、スタウトもロセウもそれを嫌った。何故なら彼らの年齢だった。ロセウはエルフと言うこともあり本来七十歳を超えているのだが、人間では十六、七。スタウトもその年齢である。よって、他のウォンテッダーたちに絡まれるのはしょっちゅうだった。
 一度、その船に乗った時、二人を除くほとんどのウォンテッダーが負傷した。絡まれては容赦なくスタウトが素直に対応したのだ。さすがのスタウトも呆れてしまい、二人は二度とウォンテッダー用乗客船には乗らないと決めている。
 普通乗客船はそれがまだ少ない。しかし、暇だった。


草うららか |MAIL

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