気まぐれ日記
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まず、大雪降ったにもかかわらずしばらく運転していなかったため数日前からの雪が積み重なり車が大きく見えた。その雪を下ろすのに車が十分温まった。「雪道こっえー!」とか言いながら運転した。以上。 なんで、運転したか? モスのスパイスチキンのお試し引換券があるから。
「やはり、面白いですね。人間は」 今度はカティエリが笑う。 「ますます、あなたをいただきたくなりました」 「どうせなら、きれいな姉ちゃんに食われたいぜ」 ブロードが動く前に樹理が剣で切りつける。彼はそういえば、あの剣はどこから手に入れたのだろう、とどうでもいいことを思った。 「だから、無駄ですって。お嬢さん」 剣はカティエリの身体を通り抜ける。ダメージも傷もない。 「ジュリちゃん。相手は水みたいなものだから、剣はダメだよ。銃もたぶん無駄」 「そうか。ではどうする?」 「だけど、相手が水なら……」 無意識に妖精主に伝えた。 再び冷気がカティエリを包んだ。 「凍らせてしまえば動きが止まるかしら?」 「だけどな、相手は魔族でもあるし……」 カティエリの動きが止まった。 「ブロード、奴が止まった」 「……いいのかよ、こんな簡単で」 「でも、水は永遠なのよ」 妖精主が身体から抜ける。脱力感を感じた。妖精を宿すと言うことは、それなりに身体に負担を掛ける。しかし、それ以上に便利でそして宿している間は死ぬと言うことはない。だから、死にたくない人間は妖精をずうっと宿している。そして、不死を望む人間を妖精は嫌うので宿すことが出来る人間はいないが。 「どうやら、お別れしなきゃいけないわね」 妖精主が言って、ブロードを抱きしめた。 「元の時間に帰りなさい。私はあなたが生まれるのを待っているから」 「うん」
元の時代に戻ったかどうか分からないが、とりあえず時代は違うらしい。そこは、ミレンディに向かう街道だった。 カティエリは凍ったままでいる。 「これはどうする? 相手が水では殺せまい」 「水は循環するからな」 このままにしていては、氷は解けて水となり、またカティエリとなる。 「エーデル」 エーデルはブロードのつぶやくような声で、現れた。妖精たちは仕える者に対しては絶対的に従順である。性格はどうであれ。 「何かしら? きゃ、坊や、どうしたのその髪? 切っちゃったの? なんで? 失恋?」 「いや、今はそんなことどうでもいいからさ、姉さん。それより、ちょっとこれ、冷凍保存しておいてくれ」 「これ、魔族ね。どうするの?」 「これの魔力の部分だけを喰っちまうというのはどうだろうか?」 「やることが魔族と同じだな」 と、樹理。 「俺たち、魔族だろ? 一応」 「……そうだったな」 魔力がなくなれば、このカティエリもただの水に成り下がるだろう。 「じゃあ、私もいただいていい? 最近活発すぎてお腹がすくんだもの」 冬の季節、エーデルは元気だ。雪の妖魔だけに。 「そうだな。皆で片付けるか」 こうして、カティエリは消滅した。
「ブロード、見てみろ」 樹理が叫んだ。役に立たないと剣術はスタウトに返された。今度はカティエリの魔力を得て、液体化することが出きるようになったらしい。ブロードは目の前の透明な液体に向かっていった。 「ジュリちゃん、節操ないね」 「自分でも思うのだが、これはかなり嫌な特性だ」 徐々に形を成して彼女は元の姿に戻った。 「早めに何か違う特性を持とう」 「……」 ブロードはメモを見た。カティエリは消えている。残るはエノマとリースリーズ……。
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