気まぐれ日記
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歯医者行かねば! 何しろ、五年も行ってない。妖しい親知らずがあるのに。 そして、怒られるのだ。「あなた、五年も歯医者行ってなかったのかい?一年にいっぺんはこなきゃダメだよ!」ってな感じで。 痛くないから行かないんじゃっ! そんなに心配するなら法律で年に一度は医者に見せろっつー義務でも作ってくれ! 一人、想像して怒る。(馬鹿だ。自分が)
「カティエリ、近くにいるのか?」 「多分」 風景が変わる。回りが溶けていきまた形を作る。 「なんだ、どうなっているんだ?」 「時間移動だ。どうやら、完全に遊ばれているようだ」 「いっつも思うけど、どうしてそんなに冷静なの、ジュリちゃん」 「なんとかできるからだ」 「そんな自信どこに?」 そして、変化が終わると街はすっかり変わっていた。 「過去、だな。多分」 「どうして分かる?」 「城の形、昔のと同じだ」 現在のジョウロフェンツァ城は最近建てられたものである。 「でも、あれ新しいよな。もしかしたら、俺が生まれるずっと前になるかもな」 「ほう」 街並みはあまり変わらないが昼間なのにほとんど人の姿がない。静かだった。ブロードはそれが何を意味するのかわかった。 「昔は戦争ばっかしていたらしいからな。もしかしたら……」 後ろから馬が駆けてくる。鐘を叩きながら街を駆けている。 「君たち!」 馬に乗っていた女性が声を掛けてきた。まだうら若いが、簡易な鎧を着けて勇ましい。 「逃げなさい! もうすぐここは戦場になるんだから。幸い今は私の結界が効いているけど、襲撃がきたら結界を保つことが出来なくなるんだから」 「あ、あの……」 「もしかして、旅の人? しょうがないわね。どうせ一度城に戻るつもりだったからいいわ」 後ろからついてきた兵士の馬を指してブロードに乗るように勧め、自分の方には樹理を乗せた。 「さ、急ぐわよ」 なすすべもなく、二人は過去の世界に巻き込まれていく。
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