気まぐれ日記
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2005年12月07日(水) いや待て、その前に

 歯医者行かねば!
 何しろ、五年も行ってない。妖しい親知らずがあるのに。
 そして、怒られるのだ。「あなた、五年も歯医者行ってなかったのかい?一年にいっぺんはこなきゃダメだよ!」ってな感じで。
 痛くないから行かないんじゃっ! そんなに心配するなら法律で年に一度は医者に見せろっつー義務でも作ってくれ! 
 一人、想像して怒る。(馬鹿だ。自分が)


 「カティエリ、近くにいるのか?」
 「多分」
 風景が変わる。回りが溶けていきまた形を作る。
 「なんだ、どうなっているんだ?」
 「時間移動だ。どうやら、完全に遊ばれているようだ」
 「いっつも思うけど、どうしてそんなに冷静なの、ジュリちゃん」
 「なんとかできるからだ」
 「そんな自信どこに?」
 そして、変化が終わると街はすっかり変わっていた。
 「過去、だな。多分」
 「どうして分かる?」
 「城の形、昔のと同じだ」
 現在のジョウロフェンツァ城は最近建てられたものである。
 「でも、あれ新しいよな。もしかしたら、俺が生まれるずっと前になるかもな」
 「ほう」
 街並みはあまり変わらないが昼間なのにほとんど人の姿がない。静かだった。ブロードはそれが何を意味するのかわかった。
 「昔は戦争ばっかしていたらしいからな。もしかしたら……」
 後ろから馬が駆けてくる。鐘を叩きながら街を駆けている。
 「君たち!」
 馬に乗っていた女性が声を掛けてきた。まだうら若いが、簡易な鎧を着けて勇ましい。
 「逃げなさい! もうすぐここは戦場になるんだから。幸い今は私の結界が効いているけど、襲撃がきたら結界を保つことが出来なくなるんだから」
 「あ、あの……」
 「もしかして、旅の人? しょうがないわね。どうせ一度城に戻るつもりだったからいいわ」
 後ろからついてきた兵士の馬を指してブロードに乗るように勧め、自分の方には樹理を乗せた。
 「さ、急ぐわよ」
 なすすべもなく、二人は過去の世界に巻き込まれていく。 


草うららか |MAIL

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