気まぐれ日記
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2005年12月02日(金) たかだか

 数時間で5センチは積もっている。雪。
 ついに積もった、でもこれからまだまだ……はぁー、という季節。降っているときの方が温かく感じるのは何故だろう。
 でも、明日の心配をしないだけでも楽だわ……。


 分身が襲いかかる。しかし、ブロードとの間に何かが入ってきた。
 「はん、アンタ、魔族なのにこんなのも避けられないのか?」
 「きゃあっ!」
 スノムウェン分身の腕を切り飛ばす。腕を切られた分身は逃げようとするが、その先に待ち構えられていたロセウに止めを刺され、消えた。
 「よう」
 スタウトは、片刃の剣を鞘に収めた。ロセウがため息をついている。
 「お前ら、手を出すなって言ったじゃねーか!」
 ブロードが呆れながら怒鳴った。
 「手を出す、ださねーは俺たちが決める」
 ロセウがスタウトを殴る。
 「お前が、だ。だいたい少し俺が遅れたらあの魔族は切れなかったわい!」
 「いってーな。間に合ったからいいだろ!」
 「ああ、そうだ。俺が間に合ったから良かったんだ! でなければお前のせいで今頃死んでるわ!」
 「あんたら、本当にいつもそうなんだな」
 「お前たち、死ぬか止めるかしないと本当に殺されるな」
 と、樹理も呆れながら言う。
 「それにしても、だ。スタウトと言ったな、いい腕をしている」
 樹理はスタウトの手をとった。
 「なんだ? 嬢ちゃん?」
 「お前の剣の腕、大したものだな」
 「まあ、それがとりえだからな」
 と、スタウト。
 「バルクのおっさんの孫なら、まあ考えられるな」
 「じいちゃんのこと知ってんのか?」
 「ああ」
 「じいちゃんは俺が小さい頃に死んだからあんま覚えてないけど、強かったんだろ?」
 「まあ、むちゃくちゃなおっさんだったけど、おめえほどじゃねーな。お前のじいさんは、もう少し考えていたな。だから、もう少し落ち着いて行動しろよ」
 「……じいちゃんの言葉として受け取っていいのか?」
 「そうしておけ」
 樹理はまだスタウトの手をとっている。
 「なんだよ、まだなんか用か?」
 「少し、その腕貸してくれ」
 「はあ?」
 樹理はその手を放す。開放されたスタウトの手が重くなっていた。
 「なっ!」
 「その左の手の分の剣の腕を借りた。覚えておけ、しばらく無茶はできないはずだ」
 「はいぃ?」
 「ちょうどいいだろう、そのエルフもお前の行動に迷惑しているようだし。しばらく、そうしておけ。そのうち返してやる」
 樹理はそう言って笑った。
 「ジュリちゃん、小技が多いんだね」
 「まあ、いろいろ」
 しかし、喜ぶはずのロセウはあまりいい顔をしていない。
 「どうした?」
 「いや、コイツなら絶対無茶なことやる、絶対……」
 「……それもそうだな。すまなかった。なるべく早く返してやるから。それまで、どうにかしてくれ」
 樹理は平然とロセウに言って、次の場所へと向かった。


草うららか |MAIL

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