気まぐれ日記
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2005年10月29日(土) |
週刊誌のアンケートにて |
新聞広告に載っていたとある週刊誌の内容で、「子供に見せたくないテレビ番組」「子供に見せたくない芸能人」というのがあった。たまたま本屋でその週刊誌を見つけて立ち読み。二時間ドラマが上位に入っていた。 理由は、愛人や殺人事件(これ、二時間ドラマの要じゃん)、エッチなシーンなどが入っているということから。 つーか、その前に子供に寝るように促せよ。今の子供寝るの遅すぎなんだよ。うちなんか小学生の時まで九時には布団に入れられたよ。(高学年の時はどうだったか覚えてないけど) 番組を作る製作者側もそうだけど、親も気をつけなきゃ駄目。一方的に番組が悪いわけじゃない! (いや、やっぱ悪いのか?) はっ、ついなんか熱くなってしまった。
アニムと話をするのは夕食をとるときだった。相変わらず、彼は副業の占いをしていた。しかし、ほとんどは恋愛相談らしい。長年、恋の悩みを聞いていた彼は、その悩みを聞くだけで対処方法が思いつくという。夜は本格的な占いをするのだが、こちらは商売がうまくいかない商人、妻の浮気が気になる夫、果ては相手を呪い殺したい熟女など、相手にしたくない相手が主である。 昼間はそれで忙しいということで、夕方まで二人は時間をつぶした。樹理は飽きもせず船内を探索したり海を眺め、ブロードは昼寝の続きをした。 夕食時、食堂が開く時間と共にブロードたちは食堂に入った。飲み物の注文をして、しばらくするとオードブルが出てくる。この船の食事は毎回決まっているので料理の注文はない。 「バルクなら、もうとっくに死んでおる」 スモークサーモンのマリネをつつきながらアニムは平然と言った。 「はい?」 「お主がいなくなって五十年。五十年前、バルクがいくつだったのか知っておるか?」 「……たしか、五十代だったけ?」 「人間ならば、寿命が尽きてるな」 樹理は冷たく言った。というか、そっけない素振りだった。 「そ、そうか。ああ、俺もう、ぜんぜん感覚が……」 「まあ、仕方のないことだのう。ただ、バルクの孫とかはたくさんおる。そのうち会えるかも」 「へえ、ビアソーイダのなんとかってヤツか?」 「そうらしい。あやつらは子孫繁栄にかけてはエルフ以上に執念があるようだのう」 「で、おっさんの死に際に会えたのか?」 「ああ、偶然というか……あれは、虫のしらせだな」 アニムはふと、バルクの家に寄ったのは近くを通りかかったからだった。それもほとんど偶然だったのだが、長年のバルクとの付き合いがそうさせたのかもしれない。 「あやつ、最期になんと言ったと思う? その言葉遣いいい加減やめれ、と言ったのだ。全く……」 それから子供や孫たちにどうでもいいことを言って、息を引き取った。大往生だった。 「ふーん」 「ブロード、なんでそこまで聞きたがるのだ?」 彼は、ふと考えた。ややして答える。 「ああ、きっと。俺、あのおっさんが好きだったのかもな。腹立つとこもあるけど、人がよくてさっぱりしているところが」 「なるほどのう。ヤツの孫の中にも似ておるやつがいるからな、会うといいだろう」 「ああ、そうだな。からかい程度に遊んでみようか」
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