気まぐれ日記
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『衝動旅行記』まとめました。珍しく早々と。
「堕ちるとは、どんな感じだ?」 ブロードはそう聞かれてもすぐにわからなかった。 「おちる?」 「そうだ。お前は人間だった。しかし、魔族となった。それが、たとえ神であろうと天使であろうと人間の枠から外れたことを堕ちるという」 「ふーん」 感じといわれてもわからなかった。ただ、質問した側は返事を待っている。にやにやと笑いながら。 「悔しいか?」 「悔しい? ちょっと違うな……」 「では、なんだ?」 すぐには浮かんでこない。そう察したのか、運命神は言った。 「わかった。思いついたら教えてくれ」 「……なんなんだ、あいつ」 その後、ものすごく淋しさを感じた。もう、人間としての楽しみを持てなくなっていた。それが、淋しく悔しい。 そのことは、運命神に伝えてない。それを口にするとまた、寂しさと悔しさをぶり返すことになる。
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