気まぐれ日記
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猫が一匹。空き地にいました。どうやら何かを狙っているようです。猫は姿勢を低くして、獲物に近づきます。獲物から目を離さず、ゆっくりと……そして、ジャンプ! お見事! ちなみに捕まえたのはちょうちょです。
長くなった髪を適当に束ねて絞る。邪魔なのだから切ってしまおうかとも思ったが、ここでハサミを借りるのも面倒だった。 脱衣室にはタオルときちんとたたまれた服が用意されている。 「これ、オフィーリス姉ちゃんの趣味なのかな?」 と思いつつ、腕を通した。居間に入ると、オフィーリスは隣の台所で皿洗いをしていた。 「上がった? じゃあそこに座ってて。簡単だけど食事出すわ」 「別に食べなくても平気だからいいよ」 「駄目。貴方、そのままだと消えてなくなるわよ」 魔族は人間のように食事を必要としない。しかしオフィーリスの出すものは魔力を含んでいるものであり、今の彼に足りないものだった。 「全く。貴方を消すなといわれているこっちの身にもなってちょうだい」 「誰だよ、そんなこと言ってる奴は」 「消えたくなくなったら教えてあげるわ」 テーブルに料理が並ぶ。サラダにスープ、魚料理と肉料理が一品ずつ。それと、パンがバスケットに入っている。 グラスにはワインが注がれた。 「……どうゆうこと、これ?」 「いいから食べて」 オフィーリスは今度はにこりともせずに勧めた。ブロードは気圧されてワインを一口飲む。彼女の視線が刺さり味がわからなかった。 「食べながら聞いてね。樹理から聞いたと思うけど、貴方は魔族狩りをすることになったわ。うちの子と一緒にね」 「……その魔族狩りってなんなんだ?」 「前に、私と一緒にやっていたでしょ? あれと似ているわ」 「……」 「魔族は必要だけれども、多すぎると不要になる。だけど、魔族は日々生まれてくる。貴方のように人間から魔族なる例はまだ貴方一人だけれども、魔族は魔族を生むし、それ以外からも生まれる。それが数を過ぎると主に人間たちに影響する……ああ、食べながら聞いて」 ブロードの手が止まっていたのでオフィーリスが呼びかけた。仕方がなく、フォークを持ちサラダを食べる。彼女は話しに戻る。 「貴方も樹理も、魔力を必要とする魔族。多くの魔族は魔力を主とする存在なのよ。だから、適任だということでお鉢が回ってきたの」 「誰だよ、それ」 「上の連中」 「しかいねーよな」 ブロードはフォークを口から放しため息をついた。そういやよくため息をつく野郎がいたっけな、と思う。 「もちろん、断ることはできないし、樹理にもよくないことだから。あの子はまだ若いから悪い男に騙されるんじゃないかって」 「そういえば、ジュリちゃんは?」 「お昼寝中よ。あの子のためでもあるから、お願いねブロード」 「オフィーリス姉ちゃんに頼まれちゃーなぁ。断れないな」 ブロードは、やっぱりこうなるんだ、と思った。
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