気まぐれ日記
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珍しいくらい、じめじめむしむしの今日。気温はそんなに高くないはずなのに、暑い雲が覆っている。そして、雨は降ったり降りそうだったり。決して、一回で終わらない。 故に、暑苦しい。 ウォーミングアップ その2
アニムがロセウを連れて訪ねたのは、とある国だった。 「しばらくここで滞在だ」 「なんで?」 「お主もたまには一箇所に留まって学ぶこともあるだろう。幸いここにはボランティアで子供に読み書きを教えるところがあるのだ」 「俺のために、そんな。アニム、稼がなくていいの?」 「お主、子供のクセにそんな心配するでない。蓄えならある。それにこの国には知り合いがおるから住む場所も困らん」 アニムは街に入るなり、城で手続きを取る。それまでロセウは店を見て回ったり公園を散歩していたりしていた。アニムが城から戻ると、今度は地図片手に裏通りの空き家に入った。 「ここがしばらく住む家だ。あまりきれいではないが、すごいぞ。ベッドもクローゼットもある」 「アニム、本当に住むんだ」 「そうだ。食事はしばらくよくなるぞ。隣の食堂はバランスの良いものを作ってくれる」 「へえ……」 「それと、小生は出かける。蓄えがあるとしても少しは働かないとな」 「アニム、それなんだけど」 「なんだ?」 「俺も、ウォンテッダーするよ。だから、読み書きよりも……」 「ロセウ、読み書きが先だ。それに、お主の師となるものはたくさんおる。期待せい」 「?」 「それに……ここではウォンテッダーはせんよ」 「じゃあ、どうやって稼ぐの?」 「占い」 「占い?」 アニムは荷物の奥底からきらびやかな衣装を取り出した。 「この中だったかのう?」 革袋から金属性の輪やらネックレスがたくさん出てくる。それらをすべて身につけた。 「どうだ、ロセウ?」 「どうだって? それ、どう見ても変。つーか、なんで女の格好?」 「小さいころは良かったのだが……どうも、男のままだと客が来んのだ。特に女性客はターゲットなのにのう」 アニム、少し遠い目になる。 「だから、女の格好の方が売れるのだ」 「アニム、頼むからやめようよ、それ」 ロセウはこの街にいる間、アニムは占いで稼いだが占い師であるアニムの姿を見ても、絶対ロセウは声をかけなかった、という。
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