気まぐれ日記
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2005年07月18日(月) ラストスパート?

 SaGaも残すところあと少しになりました。
 がんばって書いてみます。

 
  塔 十八階

 十七階への扉の封印を開放する。
 「多分、この先に四天王を束ねていた大魔王がいるのね」
 「じゃあ、もうクリスタルは打ち止めか?」
 「そうね。四天王だから。その四匹は私たちが倒した。もうすぐね」
 「楽園ってどんなところかなあ」
 「タジュトさんは、楽園に行きたいの?」
 「そうでもないかな。皆と一緒にいられたら、どこでもいいよ。あ、でもおいしいものもあるといいな」
 「そう」
 ここまでくると、魔物もレベルがあがり一筋縄ではいかないことばかりだった。
 それでも、太刀打ちできるのは彼らもまた、いくつもの難関を乗り越えてきたのだ。
 十八階に小世界があった。扉を開くと電話が鳴り響き忙しそうに走り回るスーツ姿の人たちがいる。
 「いらっしゃいませ。何かお探しですか? それとも、増築ですか? それとも保険の手続きですか?」
 ガイコツ系の魔物がもみ手をしながら近寄ってきた。
 「い、いや。違う。ここはどんな世界なんだ?」
 「これはこれは、魔界塔士ご一行様でしたか。ご見学でしたらご自由にどうぞ」
 「どうも……」
 「お休みでありましたら……」
 電卓を取り出し、打った数字を見せた。
 「お食事、ベッド代、シャワー料金がはいりまして、四名様、これほどでどうでしょう?」
 「はあ?」
 「兄貴、どう見てもこの値段、ぼったくりだぜ」
 「やや、そう申されても仕方がないです。食事もベッドもシャワーも豪華ですから」
 「豪華なシャワーってどんなの?」
 「タジュト! すまないが、見学は自由だよな。それでいい」
 「ええー、お兄ちゃん、気にならない?」
 「そんな金がない。話を聞くだけ聞いて出るぞ」
 社内を回っていると、上司らしい人とOLが休んでいた。
 「あら、お客様。ここで少し休まれてはいかがですか? お茶を差し上げます」
 勧められて、ダノたちは座った。座っただけで料金取られそうだったが、さすがにそれはなかった。
 「忙しそうですね」
 「いや〜、そうなんですよ。アシュラがあちこち破壊してますからね。武器防具の要望、家の修理、保険の加入も増えてまして……敵ながらアシュラ様様です」
 「はあ」
 上司らしい男は、仕事に戻りますといって席を立った。代わりにOLがお茶を差し出した。
 「どうぞ」
 「ありがと」
 「珍しいわ。お客様が直接会社に訪れるなんて」
 「いえ、私たちは客じゃありません」
 「まあ、もしかして魔界塔士?」
 「そう、呼ばれてる」
 「じゃあ、ちょっと噂話を聞いたんだけど、話したほうがいいのかしら」
 「話してください」
 シルアが促す。
 「アシュラが神を閉じ込めているらしい」
 四人は、ぽかんとしている。OLも少し気まずい顔をした。
 「そうよね、神様なんかいるわけないわよね。聞き流して頂戴」
 OLは笑ってごまかし、ごゆっくりと言って仕事に戻った。
 他に得ることがなくなった四人は、その世界をあとにした。


草うららか |MAIL

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