気まぐれ日記
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寒いけど(農作物大丈夫か?)、うちのジュニちゃんは、丸刈りになりま した。長毛種にとっては寒いくらいすっきりしました。とてもラブりー。
シルアも後に続いて魔物はあっけなく倒れる。少女には傷一つない。 「た、たすかった……ありがとう」 「どういたしまして。で、この先に町があるんだね」 「ええ、あたしたちが住んでいる町があるから。じゃあ、急いでいるから」 それだけいうと、少女は走り出した。 「ちょっと、あなたの名前は……」 タジュトが追いかけようとしたら、魔物が現れる。その間に少女を見失ってしまった。 しばらく地下道を進むと地上への階段があった。それを上ると、瓦礫の中に、ビルが何軒か建っている。そこが町だった。 「やあ、君たちはどこから来たんだい?」 「塔から」 「へえ、そう。ここまでどうやってきたんだい?」 「地下道を通ってさ」 「朱雀に襲われなかったか?」 「ああ、逃げてきたけどな」 「そうだよな……。良く無事でこれたな」 町の人は力なく言う。 「この町は朱雀に襲われないのか?」 「朱雀は人が集まっているところや地下、建物の中までは襲ってこないよ。じゃあ」 町は、あまり活気的ではない。店の品物も今まで見たことないものもあるが、いまいちだった。 「ああ、それが欲しいなら、アメヨコに行くといいよ。でもな、朱雀がな……途中までは地下道を通って何とかいけるんだがその後は地下道がない。その間にやられてしまう。あんたも、気をつけなよ」 店を出て、町を回る。人がまばらな小道に入るとタジュトは黄色い声を上げた。 「あ、お兄ちゃん。バイクがあるよ」 「お、かっけえ! いいな、これ。でもキーついてねえや」 「ダノさん、盗むつもり?」 「兄貴、やるんすか?」 「馬鹿、借りるだけだ。でも、借りるのも無理だな」 「お兄ちゃん、それなら素直に貸してくださいって。ほら、あのお店じゃない?」 バイクの目の前にビルがある。にぎやかな音楽が聞こえてくる。 「いかにも、不良のお店ですって感じだな」 「見かけで判断しちゃダメだよ、お兄ちゃん」 「そうだな。って、前にもそんなことがあったな」 シルアは二人をうらやましそうに見る。 「いつ見ても兄妹漫才は面白いのよ」 「シルア、なんか言った?」 「いいえ、何にも。さ、入ってみましょう」 店の中は、全員フルフェイスメットで、それぞれ店の中をうろついている。 「おい、兄ちゃん。何か用か?」 「表のバイクを借りたんだが……」 「ああ? 俺たち走り屋だぜ。ありゃ、命よりも大事なもんなんだ。貸せるわけ、ねーだろ。とっとっと帰れ!」 「そこをなんとか」 「っるせー! 痛い目見んぜ!」 一人が殴りかかってきた。その腕を体格のいい鉢巻男が掴む。 「よせ。おめえがかなう相手じゃねえ。痛い目見んのはおめえだぜ」 「お、長!」 「部下が失礼したな。だが、バイクを貸せというのは無理な話だ。どうしてもというなら、俺とサシで勝負だ。表でろ」 ダノは、こんなことになるとは思わなかった。この鉢巻男は半ばうれしそうにダノの腕を引こうとしている。 「待って、兄さん! どうしてそういつもいつも喧嘩っ早いの!」 少女がポニーテールを揺らしてビルに入ってきた。 「あ、君はさっきの……」 「えっ! あーっ! これって、偶然ってやつ?」 地下道で助けた少女だった。
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